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『ダ・ヴィンチ・コード』
【感想】 ★★★ H18.7.4

 全世界でベストセラーとなったダン・ブラウンのミステリー小説を映画化した超話題作『ダ・ヴィンチ・コード』を観る。このベストセラー小説に、監督がロン・ハワード、主演がトム・ハンクスにオドレイ・トトゥと公開前から既に大ヒットが約束されたような作品だった。しかしいきなり映画祭で拍手も起きなかったとか、公開されるや不評の山で、観る前からかなりハードルは下がったね(笑)。ただ残念なことに原作も読んでなく、まったくの予備知識無しで行くはずだったのが、なぜか公開中にもかかわらず、ダ・ヴィンチの特集がTVで放送されてて、見ちゃいけないと思いつつ見てしまった。おまけにおもっきり内容もかぶってて、なんでこの時期にそんな特集をやってんだか・・・。

 ある夜閉館後のルーブル美術館で殺人事件が起きる。殺されたのは館長だったが、なぜかレオナルド・ダ・ビンチの「ウィトルウィウス的人体図」と同じポーズで横たわり、胸に星をかたどった傷が刻まれていた。状況からそれは館長が銃で撃たれた後に自ら作り上げたもので、明らかにダイニング・メッセージだった。一方講演中のハーヴァード大学教授のラングドン(トム・ハンクス)のもとに、フランス警察の警部が現れ、捜査協力を依頼する。しかし実は、ダイニング・メッセージの中にラングドンの名前が記されており、警察はラングドンを第一容疑者とにらんでいた・・・。

 サスペンスと思ってたけど、意外にサスペンス度は低く、ほとんど歴史ミステリーという感じだった。おまけに、
"ダ・ヴィンチは、その微笑に、何を仕組んだのか。”
なんてキャッチ・コピーに予告編で「モナ・リザ」の絵の上にメッセージが浮かび上がるシーンがあり、ポスターにも「モナ・リザ」が入っていたので、「モナ・リザ」がこのミステリーの鍵になると思ってたんだけど、ストーリーは「モナ・リザ」とは無関係に進んでいき、まず軽く裏切られる。しかしこの歴史ミステリーがかなり興味深く、フィクションとあるが限りなくノンフィクションと思わせる程の裏打ちされた真実?がツボにはまる。次々と現れる「聖杯」や「マグダラのマリア」などのキーワードに、キリスト教に関する知識がほとんどない私には、かなりの難解だったが、観終わった後もあれこれと考え込んでしまう後引き感も心地いい(笑)。だいたい「聖杯」といっても、こちとらインディ・ジョーンズで見た知識ぐらいしかないんでい!ちょっとは解明してくれるかとパンフレットを買ったが、ほんとにちょっとしか解明されなかったのが辛い。やっぱり原作を読むしかないか・・・。

ただ、身近にキリスト教がない日本人にとって、解明されていく謎や登場人物たちに感情移入しにくいってところは致命的。ラストで明かされる歴史的真実も・・・。ただ、サスペンス好きにとっては物足りないだろうけど、TBSの「世界不思議発見」とか好きな人は楽しめるかも。まあ、最初のハードルが低かったので、私はそれなりに2時間半面白く観る事ができた。

本編とは関係ないが、上映前に流される予告編が、「スーパーマン リターンズ」「パイレーツ・オブ・カリビアン2」「M:I−3」「007/カジノ・ロワイヤル」と豪華版で、かなりテンションがあがるはずだったんだけど、「スーパーマン」のレックス・ルーサー役のケヴィン・スペーシーの名前が自分の中でなかなか浮かばず、気になってしょうがなかった(笑)。本編が始まる寸前で思い出し事なきを得たが、かなりあせってしまったよ。よかったよかった・・・ッホ。