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『ミリイ 少年は空を飛んだ』
【感想】 ★★★ H18.7.17
ミリィ 少年は空を飛んだ 「スター・ファイター」のニック・キャッスル監督の、青春ファンタジー映画『ミリィ 少年は空を飛んだ』を観る。かなり昔にビデオで観て、心温まる系の作品として印象に残ってた作品だったんだけど、先日お店で物凄く安く売られていたのを発見して購入。今、もうこういう作品が690円で売られるようになったんだなあ〜。

 最愛の父親を病気で亡くし、ミリイ(ルーシー・ディーキンズ)は母と弟と共に田舎町の一軒家に引っ越してくる。ミリイは二階の新しい自分の部屋の窓で、隣家の窓に座って両手を広げている不思議な少年エリック(ジェイ・アンダーウッド)に出会う。エリックは両親を飛行機事故で亡くしてから、自閉症になっていた。しばらくしてミリイは、両手を広げているのは、両親を助けに飛ぼうとしているんだという話を聞く。学校でみんなからのけ者にされるエリックに、ミリイは手を差し伸べる。次第にミリイに心を開いていくエリックだったが・・・。

 信じることをあきらめない無垢な少年を通じて、ひとつの家族の傷ついた心が癒されていく。少しずつ再生されていく家族の絆に、どこまでも澄み切ったミリイの眼差し。次第に恥ずかしいぐらいのピュアな気持ちになっていく。家族三人が思わず喧嘩をしてしまった時に、エリックが動かした父親との思い出のビデオを、三人が抱き合って見つめるシーンで、ジーンと胸が熱くなり、・・・涙。

ニック・キャッスル監督が音声解説で言う
"どんなに最悪の状態にあっても、目を凝らして周りを見てほしい。思いがけない所で人生の意味は見つかるものだ”
信じることの大切さ、そして信じることの力と意味を感じさせてくれる作品だった。

しかし再見してみて、自分が年をとってしまったことを痛感してしまった。このあまりにも純粋で無垢なミリイとエリックに、内容はバリバリのファンタジー。やはりきつかった。あくまでもジュブナイル作品であって、もう私みたいな社会人には・・・、悲しいかな正直きついんだなあ。三回も劇場で観た「ET」にも、今ではもう感動できないんじゃないかとふと思う。それでも本作が観るものを優しい気持ちにさせてくれる、隠れた秀作であることには変わりないが。

このDVDの特典が、古い作品にもかかわらず意外にいいのだ。イントロダクションとして、大人になったエリック役のジェイ・アンダーソンが作品を紹介するんだけど、そのあまりのギャップに、やはり子役上がりは大変なのだと実感(笑)。ミリイ役のルーシー・ディーキンズの現在の姿も見たかったが、音声解説だけの参加だったが、この音声解説が面白かった。いろんなエピソードを楽しそうに喋ってるのをずっと聞いてしまった。
あれだけ可憐な美しさを見せたルーシー・ディーギンズは、この作品以降どんな作品に出演してるのか調べたら、「リトル・ニキータ」や「大混乱」などぐらいで、今はもう映画にも関わってないとのこと。惜しいですねえ。

【DVD映像特典】