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『スター・トレック』
【感想】 ★★★☆ H21.6.15

スター・トレック 初代クルーによるエンタープライズの処女航海を、「クローバーフィールド/HAKAISHA」のJ・J・エイブラムスが描いた『スター・トレック』を劇場で観る。なぜ今スタトレかということは置いといて、私はトレッキーというほどではないが、TVシリーズも大好きで劇場版もすべて見ている。事前にスポック役でレナード・ニモイが出演するのを知っていたので、ポスターを見てSFXかなにかでこんなに若く見せれるんだな〜なんて思って感心していたんだけど・・・、まさかねえ(^^;)

 西暦2233年、宇宙空間に突如出現した巨大な宇宙船の攻撃を受けた惑星連邦船USSケルヴィン号は、殺害された船長に代わって指揮をとるジョージ・カークの身を挺した活躍により、カークとの子を宿した妻をはじめ、乗組員全員が無事脱出した。時は流れ西暦2258年、再び現れた巨大宇宙船に向けて出航するUSSエンタープライズに乗り込む、若きジェームズ・タイベリアス・カークとスポックたちの姿があった。

 シリーズを重ねるごとに、予算も削られ見る影もなくなり、劇中でカークまで死んでしまい、もう劇場で見ることはないだろうと思っていた初代クルーのスタトレがまた見れるとはねえ。しかもまさかのビギニングもので、いろいろ考えるものだと感心する。この日は「ターミネーター4」と続けて見たんだけど、過去のシリーズの匂いをまったく感じさせなかった「ターミネーター4」に比べて、色濃くシリーズの雰囲気を踏襲する本作のなんと微笑ましいことか。キャストはまったく代わっているのに、不思議なほど始めて見る気がしない親しみを感じさせるクルー達と、お馴染みのどこかの安ホテルのサロンを思わせるチープなブリッジに、パジャマのようなユニホーム。「どうしよう、どうしよう?」って、何かにつけ相談する光景にも思わずニヤリなのだ。そしてエレガントな女性のような美しいフォルムのエンタープライズにしばしウットリし、まさかのウィノナ・ライダーに感激する(^^)
そんな懐かしさの中でも私的に一番スタトレらしかったのは、結局最後なんだかよく分からない???なストーリー。そう!まさしくこれがスター・トレックだ!!

 今回はクルーが若返ったことで、生き生きとしたアクションシーンもあり、VFXもらしからぬほど素晴らしかった。ただ「スター・トレック」の魅力というのは、クルーたちの友情や艦隊戦などの息詰まる戦いもあるが、その根底にあるものは無限に広がる大宇宙への飽くなきパイオニアスピリット。宇宙への人類の夢を無性に掻き立てるところにあると思うんだけど、今回はまだ宇宙に夢をはせるというところまではいけてなかったかな。それとあのカークがどさくさにまぎれて艦長になったっていう流れは、なんか違う感じ(^^;)
それでも「ターミネータ4」の殺伐とした暗さより、本作のエネルギッシュな明るさの方が私は好きだなあ。