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『スターマン』
【感想】 ★★★★ H17.5.9
スターマン

 奇才ジョン・カーペンター監督が贈る異色のSFラブ・ファンタジー『スターマン』を観る。
ジョン・カーペンターといえば『ハロウィン』に始まり、『ニューヨーク1997』『遊星からの物体X』とB級SF・ホラー映画のカルトとして知られているが、本作はそれまでとはまったく異なる映画であり、自称カーペンターファンとしても驚きの映画でした。なんとそれはロマンチックなSF映画なのだ。


 最愛の夫を交通事故で失ったジェニー(カレン・アレン)は、この夜も8ミリに映る夫の姿を観ながら悲しみにくれていた。やがて眠りについたジェーニーは微かな物音で目を覚ます。隣の部屋で青白く光るものに気が付き、恐る恐る近づいてジェニーが見たものは、なんと床に転がった赤ん坊だった。やがてそれは徐々に形を変え、少年になり見る間に大人へと代わり、ゆっくりと振り返ったその顔はなんと夫のスコット(ジェフ・ブリッジス)そのものだった。ジェニーは戸惑いながらも、3日後に迎えが来るというアリゾナへ共に向かって行った。

 好意を抱いてやってきた異性人を、地球人は実験体とすべく捕獲しようとする。そうです、まさしく『ET』と同じ設定なのです。しかしこの『ET』も含め他の宇宙人ものと大きく違うところは、スターマン(異星人)が地球の女性と出逢い愛を知るというところです。「こんなに知性があって野蛮なのは君らだけだ」というスターマンのセリフがあるけど、カーペンターは随所に人間の善と優しさの部分を描きだす。追っ手の警官の目をそらすために自動販売機をひっくり返す男や、雨の中を走り二人に毛布を渡す女性。何気ないシーンに人間の心の優しさが感じられます。スターマンの優しいまなざしの様に、この映画は美しい優しさに包まれているようで、改めてカーペンターが好きになりました。
それからこの映画はラストを知って観た方が切なさが倍増するかも(笑)。久し振りに観てウルウルしてしまいました。
DVDでエンドロールが終わるまで観たのも最近では珍しいです。


当時この映画は『ターミネーター』と同時2本立てで観ました。今じゃ考えられないくらい豪華ですね。
昔は普通に2本立てってやってたのになあ〜・・・。