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『スパイダーマン3』
【感想】 ★★★☆ H19.5.4

スパイダーマン3 前作から3年、待ちに待った「スパイダーマン」のシリーズ第三弾となる『スパイダーマン3』を久しぶりの劇場で観る。もう少し後でゆったりと観るつもりだったが、我慢できずに観に行ってしまったんだけど、これは正解だった。なにせゴールデンウイーク真っ只中大ヒット上映中ということで、今TVからダイジェストの映像がいろんなところで流されてて、中にはかなり重要なシーンまで含まれてた。これは早く観て良かったと胸をなでおろす。こんなの映画の前に見ちゃったら、ちょっと面白さが半減するんじゃないかと思うほどだもんね。宣伝もいいけどちょっとやりすぎですね。まだ観てない人は、特番や映画紹介なんかのシーンは出来るだけ観ない方がいいですよ(^^)

 ドック・オクとの戦いをおえてピーター・パーカー(トビー・マグワイア)は、メリー・ジェーン(キルスティン・ダンスト)との恋に、そしてニューヨーク市民に熱烈に歓迎されるスパイダーマンにと、何もかもが順調に思われた。しかしある夜、隕石となって舞い降りた謎の宇宙生命体に寄生されたことにより、強大なパワーを手に入れるが、心が怒りと憎しみで満たされていく。そんな時、ピーターは偶然伯父を殺した真犯人がいて、さらに今脱獄中であることを知らされ、復讐心に駆られる。一方親友であったハリー(ジェームズ・フランコ)も、父親の敵として、スパイダーマンに復讐を誓っていた・・・。

 オープニングのマーベルのパラパラ漫画からクモの糸へと繋がっていくお馴染みのシーンと音楽で、わくわく感は最高潮に。シリーズものはこれがいい(^^)。っと、このオープニングでいきなり3D酔いに見舞われるが、制作費約357億円を投じて映し出される、脅威のVFXアクションにもう興奮の連続。もはや実写とVFXの映像はほとんど見分けがつかなく、もしかしたら全部VFX映像ではないかとかんぐりたくなるほど(笑)まあこれはDVDが発売された時に、メイキングで確認するとして、ただこれだけ力を入れたバトルシーンが私はちょっと不満だった。前2作で見られた、クモの糸にぶら下がるような心地よい浮遊感が薄れて、目まぐるしいスピード感が強調されたことにより、何をやってるのかよく分からなかったというか、見えないことにより、かなりのストレスを感じた。おまけにスパイダーマンがやられるシーンがやたら多いのも、見ていてあまりアクションに爽快感を感じられなかった。

ストーリーはどうだっただろうか?ニュー・ゴブリンにサンドマン、宇宙生命体に、新しい女性が現れMJとの恋の行方は・・・。ふう〜、お腹いっぱいだわ(笑)。シリーズ完結ということで奮発したのか、3本くらい撮れる内容を無理やり一本に詰め込んだようなボリュームで、どれも消化不良だったように思う。スパイダーマンのシンボルとなるテーマの「大いなる力には、大いなる責任が伴う」も影を薄め、それぞれが自分の欲望を満たすために力を振るう姿は、結局最後まで変わらなかった。またサム・ライミのB級テイストが、ここにきてついに爆発してしまったかのような安っぽい軽さは、観た人にどう受け止められるんだろう。多分シリーズ最高って言う人もいれば、やっちゃったかなって感じる人もいるだろうなあ。評価が二分すると思うが、私は期待が大きすぎたのか、残念ながら後者だなあ。

そんな中今回は笑いのシーンがどれもよかったな。プロポーズを演出するレストランのシーンや、編集長のブザーのシーンとかもう可笑しくて(^^)そして一番のお気に入りは、MJの前で嫌がらせのダンスを踊るピーターのシーン。毎回物議をかもす、MJ(=キルスティン・ダンスト)不要説を見透かしたような、なんともスカッとするようなシーンでありました。まあこのMJの尻軽さは、お約束なのだろうが、振り回されるピーターとハリーが哀れで・・・(^^;)。あっそうそう、ハリー役のジェームズ・フランコが成長しましたねえ。あんな素敵な笑顔が出せる俳優になったんだと、驚いてしまった。
それから今回もアメリカの国旗をバックにするシーンがあるんだけど、あとでふと仮面ライダーのバックに日の丸が揺れるシーンを想像したんだけど、なにかなあ〜思わず気恥ずかしさを感じてしまった(^^;)。とんだところで国民性の違いを発見してしまった。

本作でシリーズ完結との噂もあるが、これだけのドル箱作品、そう簡単に終わらせるのかなあ。同じくもうすぐ公開される『パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド』も一応完結といっているが、私はどちらの作品も大好きなので、まあ三部作とか言わないで、リターンズとかなんとかでもっともっと続けてほしいなあ(^^)