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『サイレントヒル』
【感想】 ★★★☆ H18.7.14

 「サイレントヒル」− その街に、一歩踏み込めば、後戻りはできない・・・
全世界で大ヒットとなったコナミの同名ホラーゲームを完全映画化し、全米初登場No.1を記録した『サイレントヒル』を観る。普通はこういうジャンルの映画は、結構怖がりのくせに怖いもの見たさの血が騒いでも、DVDで見るぐらいなのに、霧の中にたたずむ一人の女性の画像だけでなぜかこの映画が気になってしょうがなかった。予告編ではさらにスプラッターの匂いがプンプンしてきたが、・・・見ちゃいました、劇場で^^;

 ローズは最愛の娘シャロンの名前を叫び、夜の森の中を駆けていた。シャロンが滝つぼへ吸い込まれようとする瞬間、なんとか救い出すローズ。シャロンは悪夢にうなされるように「サイレントヒル・・・」という言葉を繰り返す。ローズは娘の異変に心を痛め、薬の投与による治療を勧める夫を振り切り、ウェストバージニア州に実在するサイレントヒルという街へ娘と二人だけで向かう。30年前の大火災により、現在は閉鎖された街。夜の山道を進む車の前を、突然横切る少女のような人影を避けた拍子に、ハンドルに頭を打って気絶してしまうローズ。しばらくして意識を取り戻したローズは、助手席にいるはずのシャロンがいないことに気がつく。車を飛び出したローズの前に、灰が雪のように舞う霧に包まれた街サイレントヒルが現れていた・・・。

 始まってまもなく、霧のサイレントヒルに迷い込んでしまったあたりで、早くも最後まで持ちそうにない予感を感じる。ぎりぎりのところで静かな場面になり息をつき、そしてまたじわじわと締め付けられる感覚。なんという息詰まるような閉塞感に緊張感だろう。まるで自分が映画の主人公と一体になったように、突然不気味な世界へ放り出されたような不安感に襲われる。次々と霧の中から闇の中から現れる異形のクリーチャーや、スプラッターシーンも凄まじいが、とにかくこの完璧に創り上げられた不気味な世界観が素晴らしい。主人公が大暴れして銃をぶっ放したり、突然大音量とともに現れるこけおどしで怖がらせるホラー映画と、明らかに一線を画す上質な恐怖。いあや〜、まいった。CGも程よく、作りこまれた絶望的な暗黒の闇の世界に圧倒され、ラストは静かな切なさに包まれる。久しぶりに劇場で観たホラー映画だったが、当りだった。

この日は平日だったこともあり、劇場内はまばらで自分も含めて5人ぐらいしか入ってなかったんもんだから、ムードが抜群の状態で、劇場の暗闇の中で、誰かが近づいてきただけでたぶん気絶してたぐらい、世界に入り込んでた。観終わった後は、まさしく悪夢から目覚めたような安堵感を味わう。

監督は「ジェヴォーダンの獣」のクリストフ・ガンズで、ゲーム版の「サイレントヒル」をシルーズ4本すべてをクリアしたという熱狂的ファンとのこと。私はこのゲームはプレイしたことないが、完璧な映像化だったと思われる。タイトルは違うが、「バイオハザード」をプレイしてて、屋敷の中を歩き回っていた時に感じた、息詰まり感に似ている。ゲーム版も怖いんだろうなあ〜^^;

今ただただ願うことは、今晩夢に出てきませんように・・・。