サブリナの休日トップページドラマ1ドラマ2

『サイドウェイ』
【感想】 ★★★☆ H17.8.19

サイドウェイ 今年のアカデミー賞で脚色賞、ゴールデン・グローブ賞で作品賞と脚本賞など、世界で96の映画賞に輝いたヒューマン・ドラマ『サイドウェイ』を観る。監督はジャック・ニコルソンが退職した男の黄昏を絶妙に演じ、高い評価を得た「アバウト・シュミット」のアレクサンダー・ペイン。今回も男たちのグズグズ感を、暖かい目で映し出す(笑)。

ワイン好きで小説化希望の英語教師のマイルス(ポール・ジアマッティ)と、1週間後に結婚を控えたプレイボーイの落ち目俳優のジャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)は、大学のルームメイト時代から続く悪友同士。二人はジャックの独身最後の1週間を、ワインやゴルフ三昧で過ごそうと旅に出る。しかしジャックはワインにはあまり興味がなく、ただ女遊びに費やそうと暴走する。そんなジャックに振り回されるマイルスは、2年前の離婚以来ふさぎがちで、今はただ自分の小説が出版社に採用されるかが気がかり。そんな二人の前に二人の魅力的な女性マヤ(バージニア・マドセン)とステファニー(サンドラ・オー)が現れる。次の恋へ踏み出せないマイルスは戸惑うが・・・。

出演者の男女4人は、誰も馴染みのない俳優さんたちばかりでしたが、ごく普通の大人たちのごく普通の物語の、ありふれた人生を垣間見せる本作には、うってつけのキャスティングでしたね。特にジャック役のトーマス・ヘイデン・チャーチの、本能のままに暴走する姿は、男のだらしなさと可愛さを見事に体現していた。ただステファニー役の女優さんは、日本人から見るとちょっと、んん?って感じで無理があると思うなあ(笑)。アメリカ人から見ると魅力的なんですかねえ〜。

人生の半ばも過ぎ、ふと自分を見つめ直してみる。まだ何一つ達成できていないと嘆くのか、またまだまだやりたいことがたくさんあると思うのか。「アバウト・シュミット」に続いて人生について見つめ直し、新しい自分を発見する男の哀愁と切なさと希望を、今回はワインの熟成になぞって描き出す。じんわりと心が癒される映画でした。