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『シベリア超特急2』
【感想】 ★★☆ H21.3.27
 映画評論家の水野晴郎が監督・主演で、熱狂的支持を受けたカルトムービー「シベリア超特急」の続編『シベリア超特急2』を観る。劇場内すべてが呆然となったどんでん返しや、主演の水野晴郎の怪演が話題となり、ずっと気になっていた作品だった。このシベ超はシリーズ化されどれを観ようかと迷ったが、一番評価が高かった2を観ることに。

 第二次世界大戦前夜、何者かによる線路爆破により、シベリア超特急の一等の乗客たちは、急きょ満州菊富士ホテルに宿泊することに。ホテルのフロントに続々とやってくる乗客のなかに、ヨーロッパ情勢の視察を終えた山下陸軍大将の姿もあった。そしてその夜、乗客の一人がホテルで殺されるという事件が発生する・・・。

 始まってすぐ画面には、『真相は三つの逆転のあと判明しますが、決して人には話さないで下さい』というクレジットが現れる。これはまたとんでもないどんでん返しが用意されているんだと、いきなりやらかしそうな雰囲気がMAXに膨らむ。そして怒涛の約11分にも及ぶ長回しでドラマは始まる。その間ずっとバックに流れる陽気な音楽のもと、草笛光子をはじめそうそうたる女優達の後に、緊張に顔を引きつらせながらやってくる水野晴郎扮する山下陸軍大将。いきなりセリフをかみそうになり、思わず吹き出してしまった。ただ映画の約束通り内容には触れないが、まず真ん中あたりで私は見事撃沈、眠ってしまった(^^;)
しばらくして気を取り直し、なんとか観終えることはできたが、あれ〜、意外に笑えなかったなあ。もっとはちゃめちゃだと思ってたけど、それなりにミステリー作品になってた。随所に現れる、ヒッチコックばりのカメラワークや階段落ちなど、いろんな映画のどこかで見たようなシーンと、あちこちにちりばめられた突っ込みどころに、思わずニヤリとさせられたが・・・。公開時場内は爆笑の渦だったらしいが、やはりこの作品は劇場で観客が一体となって、それぞれが発見した突っ込みどころを共有することで、笑いを何倍にも膨らませる映画だったんだろうな。私も多分劇場で見てたら、大笑いだったろうなあ。

今ひとつ私のツボではなかったけど、この場面ではあの映画の名シーンのように、またこの場面ではあの時の名女優のようにと、亡き水野さんの映画への溢れるような愛を感じ、劇中でも常にマイペースで終始好好爺のように振舞う姿が、なんとも微笑ましかった。ただ一番のウリはやっぱり、あの棒読みのようなセリフ回しなんでしょうね〜(^^;)

このシベ超シリーズ全部で5本あるんだけど、今残りの作品を見ようかどうか迷ってる。っていうか、呆然唖然の第一作目のシベ超を最初に見とけば、思い残すことはなかったんじゃないかと、今猛烈に後悔している・・・。