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『少林サッカー』
【感想】 ★★★★ H17.8.18
少林サッカー サッカーにカンフーを融合さすという抜群のアイデアで、世界中で大ヒットを記録した『少林サッカー』を観る。自ら監督・脚本まで手掛けたチャウ・シンチーは、鋼鉄の足を持つ主役のシンを演じるために、1年以上かけて体を鍛えたらしい。そんなチャウ・シンチーのこだわりは、作品の隅々にまで行き渡り、かなり細かいところまでこだわり抜いている。私は最初の方のところで、ムイが饅頭を練って回転させると、近くにあった卵が吸い寄せられていくというあのシーンで感心してしまったのだ。なんてくだらなくて、細かいんだろう(笑)。一見ただのばかばかしい映画のようだが、その丁寧な作りに感心させられる。

 かつて黄金の右足と呼ばれ(腹に字で書いてある)、人気のサッカー選手だったファンは、イカサマがもとでその右足を失う。そんなある日コーチへの夢も絶たれたファンは、偶然少林拳の使い手シンに出会う。その鋼鉄の足から繰り出されるキックにほれ込んだファンは、シンをサッカーに誘う。少林拳を世に広めたいシンもすぐにサッカーをやることを決心し、かつて一緒に修行をした兄弟弟子たちを仲間に誘う。かくして少林チームは全国大会へと乗り込んでいく。

 ありそうでなかった、スポーツにワイヤーやCGを使う映画。蹴りだすボールは炎に包まれ、その威力は人をボーリングのピンのように弾き飛ばし、その衝撃はカメラのレンズをも破壊する。まるでマンガを見てるようなありえない描写が次々と映像化される。なんて痛快なんだろう!
この映画を観て真っ先に浮かんだのは「アストロ球団」という漫画。かなり古いマンガなので細かいことは忘れてしまったけど、超人ばかりを揃えた球団で、人を放り投げてホームランを捕ったり、ありえない展開の試合が繰り広げられてた。そんな古い日本のマンガをチャウ・シンチーが観てるわけないと思うが、日本の漫画からなんらかの影響は受けてると、インタビューには答えてた。まさしく漫画の動きであり、その動きをこんなに見事に実写として映し出してくれたチャウ・シンチーに感動。

そして激しいアクションに絶妙に絡み合う笑い。なによりこの登場するキャラクターというか、俳優さんたちの風貌が素晴しい。特に鉄の頭の俳優さんは、そこに立ってるだけで絵になる。絶対スポーツとかカンフーとか、カッコイイ役をやりそうじゃない人たちをわざと選んでるね(笑)。この強烈な俳優さんたちはシンチー組として、引き続き「カンフーハッスル」にも何人かが顔を見せている。そしてムイ役のヴィッキー・チャオは、中国の国民的アイドルらしいが、最後までまともな格好はさせて貰えなかった。鼻髭を付けさせられてる女優さんもいたし、綺麗な女優さんに変な格好をさせるのが好きみたいですね、シンチー(爆)

そしてラストは感動というか、私は思わずジーンときてしまい涙目になっていた。何度観ても楽しい映画です。


あと私はなぜかインターナショナルバージョンと日本公開バージョンの2枚組のDVDを買ってしまったんだけど、このインターナショナルバージョンはオリジナルより20分も短くなっており、お気に入りのシーンがことごとくカットされずたずたになってた。これは買わない方がいいです。