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『デブラ・ウィンガーを探して』
【感想】 ★★★ H17.9.18

デブラ・ウィンガーを探して ハリウッドで活躍する女優34人が夢の共演ということで、超話題となったロザンナ・アークウェットの第一回監督作品『デブラ・ウィンガーを探して』を観る。とにかく出演してる女優陣が凄い!メグ・ライアンにホリー・ハンター、グウィネス・パルトロー、エマニュエル・ベアールなどなどそうそうたるメンバーが出演しており、そこで役を演じるわけでもなく、素の状態でただトークするという驚きの企画というか感動の映画なのだ。

 監督のロザンナ・アークウェットは40代を迎えて、女優という仕事と妻であり母親でもある家庭との両立についての悩みを、同じ女優たちとのインタビューを重ねていくことで答えを探していく。そしてこの映画を作るきっかけにもなった、人気絶頂で突然女優を引退してしまったデブラ・ウィンガーにたどり着く・・・。

 何度も書いてしまうが出演してる女優陣がとにかく凄いのだ!その女優たちがスクリーンでは絶対見せない顔で、生き生きとホンネトークを繰り広げる。そしてスクリーン同様にセレブのオーラをみせるホリー・ハンターや、まったくただのおばさん状態となってしまう女優たちと、ただ見てるだけでワクワクしてしまう。こんな映画がかつてあったろうか。そして出演したどの女優さんよりも美しさと存在感を放つデブラ・ウィンガー。最初は女優と家庭の両立についてインタビューをしていくが、途中からハリウッドにおける40代の女優の不遇について語りだすあたりで、最高に盛り上がる。ある女優が言う。「ジーン・ハックマン、アル・パチーノ、ショーン・コネリーに匹敵する女優を3人挙げてみて」。そういえば彼らと同じような年代で活躍している女優て、思いのほか浮かばないよね。
商業主義のハリウッドにおける10代をターゲットとし、若さだけを追い求める業界のあり方は、日本でもそうだがジャンルや作品が限定され、似たような幼稚な作品ばかりが並ぶ。確かに40代の一番成熟した女優たちの活躍の場が、フランス映画などヨーロッパと比べてハリウッドでは圧倒的に少ない。私ももっと彼女たちの映画を観たいのに、ほとんど出てこないし、たまに出てきてもどうしてそんな役なのって感じの映画に出演してる。この映画を観て、なんでフランス映画に惹かれるのか改めてわかった。人生の中で一番成熟した魅力溢れる俳優さんたちが、ちゃんと出演してるからなんだなあ。

いろんな女優さんが出てきたが、一番意外だったのは私の大好きなメグ・ライアンとそうでもないシャロン・ストーン(笑)。みんなが求めてるので、そういう作品(ラブ・コメ作品のことだと思うけど)ばかりに出演しているだけで、自分はもっとセクシーであり、セクシー路線も何も問題はないと話すメグ・ライアン。ちょっと嫌いになる。「エリザベス」のケイト・ブランシェットを観て、ガックリと落ち込んでしまうと屈託なく話すシャロン・ストーン。ちょっと好きになる。そして一番思ったことは、映画って女優を何倍も美しく見せる力を持っているんだなあ(笑)。でも反対に素の彼女たちって、映画より何倍もチャーミングなんだんなあ。垣間見せる一生懸命生きてるって姿が、とっても素敵でした。

最後にこの作品の中でたびたび名前の挙がる1949年生まれのメリル・ストリープと、1946年生まれのスーザン・サランドンが、出演した女優たちのあこがれのようだが、その中に同じ1946年生まれのダイアン・キートンが語られなかったことがおおいに不満を残すものだった(笑)。