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『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』
【感想】 ★★★ H22.6.9
 同名アクションゲームを映画化した『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』を観る。この作品どういう訳かジェリー・ブラッカイマー印なのに、ぜんぜん話題にもあがってなかったが、なかなかのレビューを見て劇場へ。でっかいスクリーンで迫力のアクションシーンをと思って行ったが、なんと小さいスクリーンで座席も少ないというシアターで上映されてて、いきなりがっかりだった(^^;)

 貧民街で育った少年ダスタンは、ペルシャ帝国の王に勇気を見込まれて養子となり、第三王子として戦士の才能を開花させていく。ある日王から手を出してはいけないと言われていた聖地アラムトが、敵国に強力な武器を流しているという情報が入り、軍を率いて制圧に向かうことに。ダスタンの活躍により、アラムトを最小限の犠牲により制圧するが、この城には神々から授けられた禁断の秘宝が隠されていた・・・。

 「遠い空の向こうに」や「デイ・アフター・トゥモロー」での優等生のイメージを、驚きの肉体派アクションで一新したジェイク・ギレンホールの勇者ぶりが、見ごたえ十分だった。最初の聖地アラムトへの進軍で、城壁を鮮やかに攻略し、矢の雨を潜り抜け城の高みにすっくと立つギレンホールを、カメラがぐるりとパンするシーンの見事なこと。PCのゲームのように、ジャンプでみせるアクションが新鮮であり、なによりCGに頼らずスタントなしで肉体を酷使してる感がいい。やっぱりこういう冒険活劇は、汗と過酷さを感じさせなきゃね。まあこの素晴らしいアクションも、何度もワンパターンで続くとちょっと冷めちゃうけど(^^;)
それからアラムトのタミーナ王女を演じたジェマ・アータートンについて。唯一のヒロインである彼女の、あまりにも女性としての魅力のなさと影の薄さが、作品としての魅力を大きく削いでいた(女優には厳しいのだ!)。「インディ・ジョーンズ」のカレン・アレンや「ハムナプトラ」のレイチェル・ワイズくらい可愛げあったら、もっと楽しい作品になってたんじゃないかなあ、惜しい。

かなりラストを予想できる展開に、ワクワク感をあまり感じることがなく、安心してみることができることで、見終わった後もなんだか物足りない気分に。ただ、ひとつだけ感動したところがあった。それはこの手の王位継承のストーリーでは、必ず馬鹿王子が付き物なんだけど、この作品に登場する三人の王子達の、ゆるぎない兄弟愛がちょっと泣きそうになるくらい気持ちよかった。この兄弟愛をもっと上手く使えばなんて思ったが、それはジェリー・ブラッカイマーが、早くも噂が流れている続編でしっかり見せてくれるかも(^^)
 ▼公式サイト:『プリンス・オブ・ペルシャ』