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『プレデターズ』
【感想】 ★★☆ H22.12.3

 87年アーノルド・シュワルツェネッガー主演で大ヒットした「プレデター」の最新作『プレデターズ』を観る。この残虐な宇宙人、シリーズでもないんだけど、ジャングルからロサンゼルスの街のど真ん中で暴れさせたり、あろうことかエイリアンと闘わせたりと、あの手この手でまだまだ商品価値は尽きないようだ。そしてこの魅力的なキャラクターを、今度はどんな風に見せてくれたのか、やっぱり見てしまうよなあ(^^)

 突然目を覚ましたロイス(エイドリアン・ブロディ)は、なぜか自分が空から猛スピードで落下していることに気付く。慌ててパラシュートを開くが、一瞬間にあわずにジャングルの木々に激しくたたきつけられる。時を同じくして、同じ様に訳の分からないまま突然空に投げ出された人間達が次々と落下してくる。傭兵に女スナイパー、特殊部隊の工作員にマフィア・死刑囚・ヤクザなど合わせて8人の人間は、お互いの素性も分からないまま、ジャングルから脱出するために一緒に行動することに。しかし、ジャングルを抜けたロイスたちが見た空には、見慣れない惑星がいくつも浮かぶ、見たこともない光景が広がっていた・・・。

 いきなり主人公が空から落下しているという、意表をつくイントロから、突然見知らぬジャングルの中に放り出された登場人物たちが集い、生き残るために戦闘になだれ込んでいくというオープニングのテンポのよさ。次第に自分達がある惑星に、狩の獲物として連れてこられたという、驚愕の謎が徐々に明かされていくというサスペンスフルな展開。まるであの全米TVドラマの「LOST]を髣髴とさせる、謎だらけのサバイバルゲームの様なシチュエーションが実にいい。
ただプレデターが自分達の狩を面白くするために集めたという、一応戦闘のプロ達面々の、あまりにも戦闘能力の高さを感じさせない弱々しさと、頭の悪そうな感じが、これから繰り広げられるであろうプレデターとの死闘をまったく期待させてくれなかったのが残念でならない。最初っからまともに戦えそうなキャラクターがいないってどういうこと?加えてそれぞれのキャラクターを掘り下げるエピソードもほとんどなく、日本人のヤクザなど魅力的なキャラも生かしきれない、ペラペラの群像劇。これは観終った後に痛烈に思ったことだけど、この映画連ドラにしたら相当面白いものができただろうなあ(^^)
そしてこの映画を決定的に失敗させた、ローレンス・フィッシュバーン演じる惑星ただ一人の生き残り、ノーランドの必要性。一番美味しい役どころだったはずなのに、これじゃあモーフィアスも浮かばれないよ(^^;)
惜しい、実に惜しい。どんなに素材が良くても、それを料理する料理人の腕が伴わないと、素晴らしい作品は生まれないという、よくある悲しい作品になっちゃいましたね。よし!口直しに第一作目でも見ようかな(^^)