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『ラブソングができるまで』
【感想】 ★★★☆ H20.3.23

ラブソングができるまで ヒュー・グラントとドリュー・バリモア、ラブコメの二大スターが初共演で話題となった『ラブソングができるまで』を観る。ヒュー・グラントの作品は大好きでほとんど観てるんだけど、この作品はなぜか今日まで見る機会がなかった。相手がドリュー・バリモアというところが微妙で、別に彼女が嫌いという訳ではないんだけど、たぶん面白くないだろうという直感が働いた。サンドラ・ブロックの時のように噛み合わないんじゃないかと(笑)でも、たまにはラブ・コメを観たいという欲望と、いろんなサイトで意外と高い評価をみて観ることに。

 80年代に一世を風靡した人気バンドPoPのメンバーの一人であったアレックス(ヒュー・グラント)も、過去の栄光は遠く過ぎ去り、今では同窓会の余興や、遊園地のイベントで歌を披露するという仕事を、細々とこなす日々を送っていた。そんな彼の元に突然、ビッグチャンスが舞い込んで来る。今若者の間で絶大な人気を誇る歌姫コーラ(ヘイリー・ベネット)から、なんと今週の金曜日までに新曲を書いてほしいとの依頼だった。しかし長いブランクに、まったく作詞ができないことで焦るフランクは、偶然部屋の植物の水遣りにやってきていたソフィー(ドリュー・バリモア)が口ずさんだフレーズに耳を傾ける・・・。

 オープニングで流れる、80年代の大ヒットポップスを髣髴とさせる、PoPのビデオクリッップにもう心はベストヒットUSA!(笑)。デュラン・デュランのビジュアル系ファッションに、ワムを激しく意識させる振り付けなど、まさしくあの頃の底抜けな明るさとチープさがもう最高に楽しくて、見終わった後このビデオクリップを何度も見てしまった。そんな最高のオープニングから、二人の恋のように、徐々に作り上げられていく曲に心をときめかされる演出が憎い。ストーリーはラブコメの王道でありひねりも無いが、それがかえって純粋にこの世界に浸れた。そしてクライマックスで流れる「愛の戻る道」でロマンチック度は最高潮に達し、見終わった後もいつまでも幸せの余韻を楽しんでいた。そしてこうつぶやく、
「やっぱロマコメっていいなあ〜」

監督/脚本のマーク・ローレンスが、ヒュー・グラントを意識して書いたと言うとおり、もう彼しかいないだろうというヒュー・グラントのはまりっぷりがすべて。右に出るものがいないだめ男っぷりに、あれだけドンくさい振り付けをこなして、なお様になる魅力。そしてドリュー・バリモアも、これが別の女優さんだったらな〜なんて思いながら見てたけど、いつしか彼女の本当に楽しそうな笑顔に、最初の不安はどこかへ。ただ改めて感じたんだけど、彼女の横顔はやっぱり・・・(^^;)。そんな彼女を遥かに超えた魅力を見せてくれたのが、本作が映画初出演という歌姫コリーを演じたヘイリー・ベネット。エキセントリックな役柄から見え隠れする、そのキュートな香りが印象的だった。この映画をきっかけにアルバムデビューするとのことだったが、今どうなんでしょね・・・。

 ただひとつだけ不満なのが、未公開シーンにあるように、マネージャーとその娘とのことや管理人のカーンとのエピソードなどカットし過ぎて、説明不足と思われる部分が出てきてしまったこと。あの未公開シーンは残しといてほしかったなあ。

ふと最後の幸せ感が、二人の恋が成就したことからくるものなのか、昭和をはじめ80年代ポップスとあの時代のノスタルジーを渇望してしまう今の自身の気持ちからくるものか、ちょっと分からなくなり、なんだか切なくなってしまった・・・。