サブリナの休日トップページドラマドラマ2

『陽のあたる教室』
【感想】 ★★★ H21.10.3
陽のあたる教室 感動する映画というカテゴリーでよく見かけるタイトルであり、メリル・ストリープの「ミュージック・オブ・ハート」と並んで気になる音楽映画だった『陽のあたる教室』を観る。ジャケットの写真からは、主役の音楽教師が誰かまったく分からず、いざ始まってリチャード・ドレイファスと分かりちょっと不安になる。それは私の中でリチャード・ドレイファスは上手い役者だけど、どの作品という訳ではないんだけど演技がくどいというイメージが残っているのだ(^^;)

 ホランド(リチャード・ドレイファス)は生計を立てるために、バンド活動をしていたが、夢は作曲家でありその作曲の時間が欲しくて、あまり乗り気ではなかったが、高校の音楽教師になる。しかし覚えも悪く音楽にまったく興味を示さない生徒達にあきれてしまい、自分には教師はあっていないのではと考えるようになる.。しかし校長の言葉と、ある生徒の指導を機に、生徒達に音楽の本当の楽しさを伝えようと決心する。

 最初は反発していた生徒達も、先生の情熱的な指導により成長し、見事な音楽を演奏して大円団、なんて見る前はそんなイメージでいたんだけど、ちょっと違う感じの映画だった。生徒達と先生という関係がメインではなく、1965年に音楽教師となったホランドが、ベトナム戦争から時代が移り変わっていく中で、たくさんの生徒達と触れ合い、妻と生まれながらに耳の不自由な息子との確執を乗り越えていくという、一音楽教師としての一生を描いた作品だった。ラストで迎える人生において自分がなしてきたものへの誇りと充実感を、体いっぱいに溢れさせるホランドの姿と、それを暖かく見守る家族や同僚の先生たちの姿は感動的であり、自らもこうありたいと願わずにはいられなかった。それは何を成したかというんじゃなく、自分が生きてきた道が無駄じゃなかった、間違いじゃなかったと思えること。そんな人生を私も送りたい。

ただ感動的なラストであることに間違いはないんだけど、このしめくくりは私的にはちょっと不満だったかな。ド派手に締めくくるんじゃなくて、どちらかというともっと夫婦二人っきりで公園のベンチとかで座ってるような、しみじみ系の終わり方が好きなんだけどなあ。