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『ネコのミヌース』
【感想】 ★★★ H21.2.20
ネコのミヌース オランダを代表するアンデルセン賞受賞作家シュミットの児童小説を映画化し、本国オランダで100万人を動員する大ヒットとなった『ネコのミヌース』を観る。本作はオランダのアカデミー賞とも呼ばれるオランダ映画祭でも、見事最優秀作品賞と最優秀女優賞を受賞している。

 夜道をライトもつけず、ドラム缶を荷台いっぱいに積んで走る不審なトラックが一台。不意に現われた猫を避けるため、ハンドルを切った弾みで一本のドラム缶が荷台から転がり落ちるが、トラックはそのまま走り去って行く。そのドラム缶に一匹のネコが歩み寄り、フタの辺りをペロペロとなめている。一方新聞記者のティベは、引っ込み思案な性格から取材ができず、編集長に事件の記事が書けなけりゃクビと宣告される。そんなある日、ディベは街で犬に吠えられて木に上ったまま、降りれなくなっている女性に出会う・・・。

 ひょんなことから、人間の女性になってしまったネコのミヌースが、ネコの時の習性に戸惑いながらも、なんとか苦難を克服しようとがんばる姿が健気で可愛らしい。そんなミヌースを意外に大人の落ち着いた雰囲気で演じるカリス・ファン・ハウテンの美しさとコミカルさのギャップ。そしてネコ好きにはたまらないであろう、鼻をスリスリして挨拶をするとか、窓から忍び込んで魚を盗み食いしたり、夜な夜なアパートの屋上で繰り広げられるにぎやかな集会など、微笑ましいシーンの連続で、終始あったか〜い気分に包まれる。
ただ児童小説の映画化ということで、ストーリーは街の有力者の偽善を暴くために、ネコのミヌースが大活躍するというだけの話で、当たり前だけどロマンチック度がほとんどないというところが、ディズニーとかを見慣れていると見ていて退屈かも。それから相手役のティベの、あまりにも魅力的でないキャラクターが惜しい。おまけにその俳優の顔も気が弱い割りにゴツ過ぎなところも惜しい(^^;)

それでも幸せ感いっぱいのエンディングのビデオシーンと、エンドロールで流れるなぜかそこだけロマンチック度全開の歌に、気分はやっぱりネコが好き!