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『メン・イン・ブラック3』
【感想】 ★★★★ H24.6.8

 地球上のエイリアンたちの行動を、誰の目にも触れることな日々く監視しつづける最高秘密機関に所属するエージェントを描いた、大ヒットSF作品「メン・イン・ブラック」の、シリーズ最新作『メン・イン・ブラック3』を久しぶりの劇場で観る。前作の2から実に10年が過ぎ、まさかの続編。TVで予告編を見るまで、製作されていることも知らなかった。久しぶりにあの二人に会えるというだけで、なんだかうれしくなる(^^)

 エージェントKにより、メン・イン・ブラックの一員となったエージェントJ。2人がコンビを組み、すでに何年もたった今も、しかめっ面で車内でもまともに会話もしようともしないKに、Jは不満を募らせる日々だった。そんなある日、40年前にKが逮捕した凶悪エイリアンが、月面の刑務所から脱走したことが判明する。聞き込みをした店内で、エイリアンに襲われ、見事撃退した2人だったが、いつになく険しい顔のKは、なぜかこの事件にはかかわらないようにとJに命令する。その翌日、Jは上司のOから、Kは既に40年前に死亡していると告げられる・・・。

 SFと言いながらも、派手なCGと軽い笑いとノリで人気を博したシリーズであり、次はさらにその辺を良くも悪くもスケールアップしてくるとばかり思っていたので、この最新作の印象はとても意外だった。それは私の第1作2作の不満を、すべて解消してくれる快作へと驚くべき進化を遂げていたのだ。もともとKとJの息の合った掛け合いがウリだった作品だが、どういう訳かお互いの過去や素性に深く関わることをさけ、相棒と呼ぶにはお互いの信頼を印象付けるシーンが少なかった。その物足りなさを、本作はしっかりと描いてくれた。軽いSFコメディから、熱いSFバディムービーへと変わっていた。

タイムワープをして、40年前のKを助けに行くんだけど、その40年前のKを演じるジョシュ・ブローリンがトミーリー・ジョーンズとまったく違和感がなく、その若々しいKを見つめるJの優しいまなざしがとっても可愛くて、もうそれだけで楽しい気分になる。しっかり笑いの部分も押さえつつ、「答えを知りたくない質問はするな」とか印象的なセリフも多く、なによりエージェントJのおふざけが過ぎず、Kのことを想うひたむきな姿がとっても気持ちよかった。未来は幾重にも分岐し、偶然が奇跡のように紡がれて行く人生に、希望を与えてくれるメッセージも実に心地よい。思ったよりアクションシーンが地味だとか少ないだとか、いろいろレビューされてる方もいるが、私はそんなことより二人の絆に焦点をあてた本作が断然によく、シリーズNo.1の出来だと断言する。エージェントKが無愛想な秘密、そしてKとJの意外な関係が明かされるラストでは、思わず涙が流れていた。
やっぱり映画って、CGとかアクションとか見た目を派手に、そしてにぎやかにすればいいんじゃなく、いかに面白いストーリーで楽しませてくれるかっていうことが大事なんだと、改めて感じさせてくれた作品だった。すぐにもう一度見たくなる映画って、随分久しぶりだなあ(^^)