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『マチェーテ』
【感想】 ★★★ H23.4.29

 盟友クエンティン・タランティーノと競作で話題となった「グラインドハウス」の劇中内で、架空の予告編として流れた映画を、そのまま1本の作品としてロバート・ロドリゲスが完成させた『マチェーテ 』を観る。このジャケット写真から分かるように、ロドリゲス作品の常連であるダニー・トレホをまさかの主役に抜擢し、どれだけとんでもない作品に仕上げてくれたのか楽しみな作品だった。意外なビッグネームの出演者にも注目だったしね。

 メキシコ連邦捜査官マチェーテは、誘拐された女性を救出するため、麻薬王トーレスのアジトへ向かっていた。しかしそれはマチェーテをおびき出すトーレスの罠で、マチェーテは目の前で妻を殺害され、自身も瀕死の重症を負ってしまう。3年後、テキサスのある街角、日雇い労働者の中にマチェーテはいた・・・。

 公開時お下劣ヴァイオレンスムービーとまで言われ、そのハチャメチャ振りに評価が真っ二つに別れた作品でしたねえ(^^;)マチェーテという名のどでかいナイフを、ジェイソンさながらに振り回し、ザックザックと首や腕を切り落とし、体を串刺しにするシーンの残酷さといったら。極めつけは敵のお腹から腸を引きずり出し、それをロープのようにして2階の窓から飛び降りるっていうシーンも。もうむちゃくちゃなんです。そして無闇に露出される女優達のヌードシーン。映画作品にとってお手軽なスパイスとなる、この三大要素のエロ・グロ・ヴァイオレンスだけを、えげつないほど徹底的に詰め込んでる。ただねえ〜、不思議なんだけどここまで潔く満載にされると、意外に嫌悪感はなく、かわりに私はなにか清清しささえ感じてしまった。完璧に麻痺してしまった私の神経は、最後は一緒に「やっちまえ〜!!」でしたね(^^;)

ダニー・トレホというたぶんいろんな作品で見かけてるだろう、名脇役というかやられ役のこのおっさん、動きに切れはないが、とにかくこの強烈ながたがたの顔が怖い。誰でもないこの作品にピッタリの主役だった。そして今回はダニー・トレホと反対の脇役になって楽しませてくれた豪華俳優陣が凄い。見る前はとにかくB級作品丸出しだったんで、デニーロにセガールでしょう、そしてジェシカ・アルバやリンジー・ローハン、ドン・ジョンソンまでしょ〜もない役で出てくるんだから、ビックリだった。なんでこんな作品にあなた達は出てるの?って感じで、思わず苦笑い。なかでもデニーロのオーラの無さは、本人は楽しんでやっているんだろうけど、楽しさを通り越して心配になっちゃった。どうしちゃったの?デニーロ。

たまにはこういうお下劣ムービーも、面白いっちゃ〜面白いけど、ちょっと当分はいいかなあ〜(^^;)