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『リチャードを探して』
【感想】 ★★★ H17.1.29
リチャードを探して
 オスカー俳優アル・パチーノが初監督・製作さらに主演で、見事アメリカ映画監督協会賞ドキュメンタリー部門の監督賞を受賞した力作『リチャードを探して』を観る。この作品は評論家の人たちからかなり高い評価がされていた作品で、以前から目をつけていたんだけど、なぜかレンタル屋さんにも置いてなかったし、LDの発売もなくずっと観る機会がなかったのに、突然DVDで発売された。しかもいきなり廉価版で♪

 この映画はアル・パチーノがシェイクスピアの「リチャード3世」を演じるにあたって、舞台俳優達と熱いディスカッションを交わす舞台裏の様子や、シェイクスピアについて街頭インタビューを行ったりする姿をドキュメンタリーで追っていくというもの。
 シェイクスピア作品の難解さに、以外に知られていないシェイクスピア作品の認知度の低さから、いかに分かりやすくこの「リチャード3世」を演じるか、アル・パチーノと出演者やスタッフそれぞれの熱意がひしひしと伝わってきて、見ごたえ十分のドキュメンタリー作品となっている。またシェークスピア作品をアメリカ人俳優が演じること自体が大変だという、ある意味シェイクスピア・コンプレックスを抱く意外な一面も興味深かった。
特にあ〜でもないこ〜でもないと悪戦苦闘するみんなの姿が、時に激しく時にユーモラスであり、その時々で見せるケビン・スペイシーやウィノナ・ライダーなど俳優達の生の表情がいい。そして演じてる時も、ディスカッションしている時も普段の時まで、常に熱いオーラを放ち続けるパチーノの存在感に圧倒される。やはりすごい俳優さんなのだ^^

ただ最初この映画を観る前にイメージしてたのは、アル・パチーノが「リチャード3世」を実際に舞台で公演してて、そのドキュメンタリー映画と思ってたので、切れ切れに重要なシーンだけを見せられる構成は、なにか物足りなさを感じてしまう。やはり最後に完成版を通しで観たいとこだったが、それでは作品が長くなり過ぎて無理なのかな・・・。

この作品を観て、シェイクスピアにかなりの興味を抱いたが、その時代背景や人間関係などを理解していないと、その真価が分からないというシェイクスピア作品の奥深さを見せ付けられ、私は反対にシェイクスピアから遠ざかってしまった気分になったのは確かだなあ、残念ながら・・・。