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『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』
【感想】 ★★★★ H23.8.17
“これが、最後。”
 J.K.ローリング原作の大ベストセラー・ファンタジー小説「ハリー・ポッター」の劇場版最終章『ハリー・ポッターと死の秘宝 PRAT2』を劇場にて鑑賞。第一作目の「ハリー・ポッターと賢者の石」から10年、お世辞にも傑作とはいえない作品ばかりだったけど、不思議な魅力でファンを引き付けて離さなかった作品だったなあ。そして長かったヴォルデモートとの戦いもついに決着を迎えることに。本作でこの人気シリーズともお別れとなると、やっぱり寂しいね。

 ヴォルデモートを倒すカギとなる分霊箱を求めて旅を続けるハリーとハーマイオニー、そしてロン。残りの分霊箱もわずかとなり、ハリーはヴォルデモートとの最後の決戦が近いことを感じていた・・・。

 なるほど〜、こういう結末ですか〜、うんうん。いろいろ言いたいこともあったけど、本作はそんなこともすべてチャラにしてくれるほどの素晴らしい完成度だった。この作品で毎回感じてきた不満、すぐに仲間を信じられなくなるグズグズの友情や、伏線にもならない余計なエピソードの数々、そして毎回期待を裏切り続ける、意外に地味な魔法に、わかりにくいストーリー。本作はこのシリーズで感じで来たすべてのうっぷんを、大魔法のように鮮やかに晴らしてくれた。フィナーレにふさわしく、シリーズを支えてきた魅力的なキャラクター達の再登場に、影の薄かったサブキャラクター達の、それぞれの見せ場もしっかりと描かれており、途中間延びすることもなく、ラストまで一気に見せてくれた。これは文句なし、シリーズNo.1の出来だねえ。
特にホグワーツ魔法学校で繰り広げられる攻防戦は、今までにない大スケールで描かれ、まるで「ロード・オブ・ザ・リング」を見てるような大迫力で楽しませてくれた。

 ハリーが背負わされたヴォルデモートとの運命。そしてずっと敵か味方かわからなかった、スネイプの存在。そのすべての謎が解き明かされる時、あまりにも過酷で、そして切ない真実に胸が締め付けられる。クゥ〜ッ、この10年はこの時のための、この瞬間のカタルシスのための仕込みだったんだなあ。10年間抱え続けてきた胸のつかえを、一気に解放される快感に浸る。今回は他にも泣きのエピソードがいろいろ盛り込まれており、見せ場もたっぷりと用意されていた。私のお気に入りは、後半のネビルの勇気ある行動とセリフのシーンで、思わず涙が流れていた。この魅力的なキャラクター達も、丁寧に描いてあげれば、こんなにも素敵なシーンが撮れたはずなのに、シリーズを通してみんな扱いが雑だったなあ(^^;)

最後にこんな素敵な気持ちにさせてくれた「ハリー・ポッター」、ありがとう!
そしてたぶんすぐに発売されるだろうブルーレイのBOXと、そこに収録されるメイキングを、楽しみにしているよ。