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『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』
【感想】 ★★☆ H18.6.10
 J.K.ローリング原作の大ベストセラー・ファンタジー小説「ハリー・ポッター」の劇場版第7作目となる『ハリー・ポッターと死の秘宝 PRAT1』を観る。原作は既に完結しており、ラストまで読んだ心無いもの達からの余計な情報もチラホラと入ってくるが、幸いなことに大事なところは一応真っ白な状態を保っている・・・。っといっても、私は毎回不完全燃焼を感じてしまうシリーズなので、もういいんじゃないかとも思うんだけど、これまで一作目からずっと見てきて、やっぱりここで見ない訳には、・・・いかないよねえ(^^)

 ダンブルドアを失い、日に日に力を増していく闇の力。その影響は魔法界はおろか人間界にまで及び、人々を恐怖に陥れていった。そんな中、ハリー・ハーマイオニー・ロンの三人は、ヴォルデモートを打ち破る唯一の鍵である「分霊箱」を探し出すために、力を合わせることを誓い合うが・・・。

 事前に今回のハリーはいよいよダーク度MAXという声が耳に入ってきていたが、ホント最初から最後まで真っ暗だったなあ(^^;)始まってすぐ大蛇に飲み込まれるホグワーツの先生のシーンがあるんだけど、果たしてこんな残酷なシーンを子供が見て続きを見たくなるんだろうか、なんていきなりなアダルトな描写に首を傾げてしまう。定番の学園生活のシーンも一切なく、欠かせない後ろ盾だったダンブルドアもおらず、仲間達も早々にやられてしまい、3人組が頼りなげにあっちにフラフラ、こっちにフラフラと右往左往しているところばかりが目に付いてしまった。私の中でのハリー・ポッターは、学園生活の中で先生や学友たちに助けられ、いろんな困難を乗り越え、そして素晴らしい魔法使いへと成長するというベースがあると思っていたので、まったく先生や生徒達が登場しない今回の世界は、かなり異色に映った。それでも前半のみんながハリーに化けて移動するシーンとか、魔法省でのペンダントをめぐるくだりは、ドタバタも含め、らしい楽しさに溢れた展開に、思わずニンマリだったが。こういう児童小説らしい子供っぽいところ、私は好きなんだけどなあ。
ただねえ、途中から何をしようとしているのかよく分からなかったり、知らないキャラクターが突然出てきたり、ハリーとロンの仲間割れにいたっては、またかって感じで、面白さとは程遠いストレスばかりがたまってしまう展開だった。そうはいっても、ワンパターンではないいつもと違うハリー達を、新鮮と感じる人もいるだろうし、見る人によって違うと思うけど、最後まで見せ場がないというのは、ちょっと致命的だったんじゃないかなあ。ええ〜!これで終わり〜?ってビックリしてしまった。しかもエンドロールの最後にあると思っていた予告編も無いとは・・・。

 いよいよこの夏にPART2でフィナーレを迎えるんだけど、ネットでは既に予告編が公開されていて、ついさっき見てしまった。意外なほど目新しいシーンがなく、一応ヴォルデモートとの一騎打ちのシーンが中心となっていたが、そのシーンも以前見た対決シーンと代わり映えがせず、大丈夫なんだろうかとちょっと心配になる。でもねえ、ここまできたら最後は劇場で見たいよなあ(^^)

最後にいろいろ第一作目から思い返してみたんだけど、このハリー・ポッターという作品、話がいろんなところに飛び、どうでもいいシーンをあたかも伏線と思わせといて、結局は特に意味のないシーンというパターンがなにげにたくさんあるんだけど、総集編的に無駄を削ると案外素晴らしい作品になるんじゃないだろうかと、いきなりだけどふと思った。