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『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』
【感想】 ★★★☆ H18.8.11
パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト 「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」の大ヒットから3年、前作のキャストとスタッフが再結集した待望の続編『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』を観る。インディーズ系にこだわっていたジョニー・デップを、メジャー級にしてしまった、ある意味映画ファンにとって嬉しくもありちょっぴり寂しい思いにさせた罪な作品でもある(笑)。またこの作品をきっかけにオーランド・ブルームとキーラ・ナイトレイもビッグ・スターの仲間入りを果たした。本作はシリーズ3部作の第2作目で、たぶん一番いいところで終わってしまうっていうのは分かってたけど、前作があれだけ面白かったら観るしかないのだ。

 アステカの金貨を巡る冒険から3年、エリザベスとウィルは結婚式当日、突然海賊ジャック・スパロウを逃がした罪で逮捕される。裏で糸を引く東インド貿易会社のベケット卿は、ウィルに絞首刑を免除する代わりに、ジャック・スパロウの持つ“北を指さない羅針盤”を手に入れ差し出すよう命じる。一方ジャックも、13年前にブラック・パール号の船長となるために自らの魂と引き換えに交わした、“深海の悪霊”デイヴィ・ジョーンズとの契約の期限が間近に迫っていた・・・。

 あの手この手でめまぐるしく展開されるドタバタは、まさしくジェット・コースター・ムービー。デイヴィ・ジョーンズの手から逃れるために上陸した島で、原住民たちと繰り広げられるおっかけっこが抜群に面白く、丸焼きの災難から逃れたジャックのありえないアクションシーンに、思わず声を出して笑ってしまう。絶体絶命のピンチも、計算なのか偶然なのか鮮やかに切り抜ける、やはりこのデップ演じるキャプテン・ジャック・スパロウなるキャラが際立って魅力的である。オドロオドロシイ深海の海賊たちに巨大モンスター、そしてエリザベスを巡るジャックとウィルの微妙な三角関係まで、151分を最後まで飽きさせずに一気に見せる、期待通りのエンターテイメント作品だった。この期待以上ではなく期待通りってところがミソなんだけど・・・。
ただ、一つ一つの仕掛けのあざとさが後半になると少々鼻につき、昔の「インディ・ジョーンズ」を思い出させる。わざわざ水車の上で回転しながら剣を交える意味があるのか・・・。それと冒険活劇映画で一番肝心の宝探しが、前作で既に持っていた使い回しの羅針盤の指す方向へただひたすら進むという、何の謎解きや工夫も無いのが物足りなかったかな。普通にあんなとこにあるなんて、どうなのよ・・・。それからエリザベスやウィルと再会させるというシチュエーションもいいが、ここはまったく新しい冒険でもっとジャックを自由に活躍させても良かったかも。

今回デップは別格として、オーリーとキーラ・ナイトレイが意外と印象に残らなかったけど、新しく登場したナオミ・ハリス演じるヴードゥ教の預言者ティア・ダルマがいい。完璧に作品の世界に存在しており、その妖しげな美しさと存在感が、本作の新たな魅力に大きく貢献している。デイヴィ・ジョーンズ役のビル・ナイは、あの特殊メイクだけでも相当大変だったろうに、もはや誰だかわからないウネウネは気の毒で、もうちょっと顔出さしてあげようよ(笑)
今回も長いエンドロールの後に、ちょっとしたオマケが入ってるので最後まで我慢して見てください。私は絶対予告編が入ってると思ってたんだけどなあ〜^^;
3部作の完結編が来年の5月公開ともう決まっていて、どうやらアジアが舞台になるみたい。そして敵役の海賊にチョウ・ユンファの名が上がっているが、これではもはやカリビアンでもなんでもないのでは・・・^^;