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『サイダーハウス・ルール』
【感想】 ★★★☆ H17.4.29

サイダーハウス・ルール その作品にいつもやさしさが溢れているラッセ・ハルストレム監督の『サイダーハウス・ルール』を観た。
最初に観たのは、出張中のホテルの近くにあった小さな劇場で、アカデミー賞7部門ノミネートなどまったく知らなかった。孤児の少年が生まれ育った孤児院から旅立ち、いろんな人たちと出会い、恋をし、そして残酷な現実を知り大人へと成長していく。そこにはいつも暖かい父親の愛があった。


 オープニングから傑作の匂いがしたけど、なんだか素直に感動できなかったことを憶えてる。扱ってる題材が中絶に近親相姦とかなり重いものであったこともあったけど、一番の原因は主役のトビー・マグワイア、あなたでした!終始へらへらとした顔に緩んだ口元、・・・気持ち悪かった(笑)
シャーリズ・セロンとのツーショットもどこか不自然であり、ラストシーンもなんとなく終わってしまった。それから何年か経ち、店頭にラッセ・ハルストレム監督作品BOXを発見し早速購入。本作に加えて『ギルバート・グレイプ』に『マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ』も入ってるという感激のBOX!(ただしなぜか『シッピング・ニュース』はプロモーションディスクという不思議なものが入ってた)


 そうしてあまり期待せずにもう一度観て、・・・ラストは涙涙だった(爆)
これはいったいどうしたことか、トビー・マグワイアをなぜかすんなり受け入れることが出来た。そうだ、『スパイダーマン』だ、『スパイダーマン』を何度も観てるうちに慣れてしまったんだ、ハッハッハ。たったそれだけでラストのセリフまでもが、あんなに感動的に心に響くとは不思議。生きていればリバー・フェニックスに演じて欲しかったなあ〜なんてふと思ってしまった。パンフレットに「私にとって『サイダーハウス・ルール』とは、意味をなさない、もしくは現実にそぐわないルールを打ち破るものである」という、ハレストレム監督の言葉がありました。自分の人生もなんだか意味をなさないいろんなルールで縛られてきたような気がする。そんなルールだからこそ打ち破った先に、本当の自分の人生のルールを発見できるんだろうね。


役さながら自らもアルコール依存症だったというマイケル・ケインは、その経験を活かし?、この作品で見事アカデミー助演男優賞を受賞。しかし、なんと最初にラーチ役にオファーされたのはショーン・コネリーだったそうです。ちょっと雰囲気違うというかかっこよすぎであり、自然にくたびれた感があったマイケル・ケインで正解でしたね。

私にとってラッセ・ハルストレム監督は、彼の監督作品っていうだけで無条件で観たくなる、そんなお気に入りの監督のひとりです。新作がとても待ち遠しいですね。

 

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