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『シカゴ』
【感想】 ★★★★☆ H23.4.30
 2003年の第75回アカデミー賞で、最優秀作品賞をはじめ6部門を受賞したミュージカル映画の傑作『シカゴ』を観る。ミュージカルっていうジャンルは、あまり馴染みがないというか食わず嫌いなところがあり、多くは見ていないんだけど、本作はミュージカル作品としては実に34年ぶりのアカデミー最優秀作品賞に輝いた作品とのこと。先日見た「バーレスク」に触発され、また久しぶりに観ることに。そこでなんと驚いたことに、2003年の発売日にDVDを買って見たはずなんだけど、ほとんど初めて見るシーンばかりだった。そういえば途中寝てしまって、それっきりだったような気がする・・・(^^;)

 1920年代のシカゴ、スターを夢見るロキシー・ハート(レニー・ゼルウィガー)は、華やかな舞台で妖艶に歌い踊るヴェルマ・ケリー(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)を眩しそうに見つめている。しかしその夜、夫がいながら付き合っていた,、業界にコネがあるという家具のセールスマンに騙されていたことを知り、護身用の銃で射殺してしまう。ロキシーは殺人の容疑者となり、監獄に収容されるが、そこで意外な人物に出会うことに。なんとその人物は同じ様に殺人容疑で収監されていたヴェルマだった・・・。

 作品全体を包み込むノワールな空気感。スターへの欲望をたぎらせる二人のダンサーと、名声のために手段を選ばない悪徳弁護士との駆け引きのコミカルさに、ゴージャスな舞台シーンの素晴らしさ。前回寝てしまったのがウソのように、最高に楽しい気分にさせられ、その完成度の高さに感激してしまった。
中でも本作でアカデミーの最優秀助演女優賞を受賞したキャサリン・ゼタ=ジョーンズの、本物のミュージカルスターのように、輝くオーラを振りまいて歌い踊る渾身のパフォーマンスは、実に華があり美しかった。後で調べて分かったことなんだけど、彼女はもともと映画デビューする前は、ミュージカルで主役を務めてたこともある、本物の舞台出身の女優さんだったことが判明。なるほどねえ〜、どうりで上手い訳だ。本作はその才能を存分に発揮することができた作品だったんだなあ。そしてその主役の座を、彼女にすっかり食われてしまった感があるレニーも、思わぬコケティッシュな魅力で対抗し、楽しませてくれた。一方男優陣の中で孤軍奮闘がんばっていたリチャード・ギヤは・・・それなりにがんばっていた(^^;)
ラストで見せる、マシンガンをぶっ放すロキシーとヴェルマの姿は、女の逞しさと意地らしいまでの可愛げに溢れ、拍手喝さいだった。ミュージカルって、こんなに楽しい気分にさせてくれるんだぁ、なんて改めて思わせてくれた作品だった(^^)