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『ぼくセザール10歳半1m39cm』
【感想】 ★★★ H17.6.19

ぼくセザール10歳半1m39cm 「ぼくの名前はセザール・プチ。10歳半、身長は1m39cm、ちょっぴり太めだけどそのことは言われたくない。」
こんな軽快なセリフで始まるタイトルもそのままの『ぼくはセザール10歳半1m39cm』を観る。子供が主役のヨーロッパ映画はハズレがないというが、たまには例外も・・・。


 主人公のセザールはちょっと太目ということで、自分に自信がなくシャイだけど、日々大人たちの理不尽さに不満がいっぱい。そんなセザールが同じクラスのサラに恋をした。ライバルは親友のモルガン。話が進んでいくうちに、おいおい子供の三角関係の話なの?どうでもいいよ〜、なんて感じ始めていた頃に急展開。中盤でモルガンの父親探しに三人でロンドンへ行くことに。やっと冒険だよ、冒険。そしてぼくセザールはちょっぴり大人になった。んん〜〜〜〜・・・。

子供の頃は近所からちょっと離れたところや、裏山の中に入っていくだけでも冒険だった。観る前のイメージが子供たちがそんな小さな冒険をして何かが変わったっていう話しで、私の大好きな『スタンド・バイ・ミー』を連想していたんだけどだいぶ違っていた。お国柄かこのフランス映画は、少年がちょっぴり大人になるということは、恋を成就させることらしい。
監督が「大人たちに子供時代を思い出して欲しい」とメッセージを送る。セザールの目を通して映る大人たちの姿がいかに高圧的で不公平で残酷であることを感じて欲しかったのか。でも私的にはこの映画に関しては、子供も大人もほとんど変わらずに見えた(笑)。子供がませているのか大人が幼稚なのか、共感するところがあまりなく、自分の子供時代を顧みる気にもならなかった。フランス人と日本人じゃあやっぱ違うか(爆)。『スタンド・バイ・ミー』で感じたノスタルジーもこの作品からは感じられなかった。


このリシャール・ペリという監督、もともと俳優さんで、演技よりビジュアルにこだわっていたみたい。主人公のセザールはポッチャリという設定なので、なんと子供に肉襦袢を着せる懲りよう。顔と体がかなりアンバランスであり、子供の表情もどこか不自然。メイキングで見せる表情はとっても子供らしくて可愛らしいのになあ〜。オープニングの傘のシーンをはじめ、ラストの風船のシーンとカメラアングルはかなり凝ってたね(笑)。

時間も99分と短めで全体的にサラっと観れ、ところどころ笑わせてくれるところもありそれなりに面白い映画になってるのかな。私の子供時代が幼稚だったのかいまひとつだったけど、映画のようにこの年頃で同じような恋を体験していた人はもっと面白いかもねえ(笑)。

 
 ▼公式サイト:『ぼくセザール 10歳半1m39cm』