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スーパーファミコン
   〜王道伝承、ROMゲーム最後の楽園〜

メーカー:任天堂
種  別:ROMカートリッジ式家庭用ゲーム機
発 売 日:1990年11月21日


 満を持して発売されたファミコンの後継機。
1980年代半ば過ぎから新型ファミコンの噂は雑誌などで取り上げられてきたが
任天堂はなかなか後継機をリリースせず、初代ファミコンから7年を経てやっ
と発売されたのがこのスーパーファミコンである。

 実は当初の予定では、ファミコンアダプターともいうべき周辺機器が発売さ
れる予定で、そのアダプターを付ければ初代ファミコン用のゲームもプレイ可
能になるはずだったという。
いわば、後に発売されるスーパーゲームボーイのようなものだか、何故かこれ
は発売されず、新型ファミコンは世の多くのゲーム機がそうであるように、旧
型機との互換性を切り捨ててリリースされた。

2003.5.2追記
(・・・と思っていたんですが、実はこのファミコンアダプターはSFCに接続
して使うスーパーゲームボーイタイプのものではなく、現在のニューファミコ
ン、つまり独立した機器のことを指していたようです。
情報をお寄せくださった、砂糖さん、ありがとうございます(^_^))


 スーパーファミコンがリリースされたのは1990年末で、PC-Enzingeやメガド
ライブとからは大きく遅れを取っている。
しかし、自社のスーパーマリオを始め、エニックスのドラゴンクエスト、スク
エアのファイナルファンタジーシリーズなど、多くの有力サードパーティを抱
えてるのが任天堂の強みである。
キラーソフトのスーパーマリオワールドと共に発売されたスーパーファミコン
は、ゲーム機としては初めて発売日に並ぶ長蛇の列がニュースとして報道され
た。

 スーパーファミコンは実質ライバルらしいライバルが存在しない状態で、家
庭用ゲーム機の王者として次世代ゲーム機戦争まで君臨することとなる。

 しかし、スーパーファミコンがROM方式のゲーム機であったことから、初代
ファミコンよりもさらに大容量を必要とするゲームの単価はさらに跳ね上がっ
た。
また、ファミコン時代からソフトメーカーはソフトをROMとして製品化する作
業を任天堂に依託せざるを得ず、その段階で任天堂にロイヤリティを払わなけ
ればならない。
ロイヤリティを取っているのは任天堂だけではないが、どうやら他のメーカー
のロイヤリティに対して、任天堂のそれは高額だったらしくその分も当然ソフ
ト単価に跳ね返る。

 さらに言えば、任天堂の場合、ファミコン時代の仲買店との付き合いがあり
その流通機構は現代的とは言えず、この中間マージンもやはりソフト単価に上
載せされる為、ファミコン発売当時1本3800円だったファミコンソフトの標準
価格は1万円を超えることすら珍しくなくなってしまった。


 余談になるが、何年か前にスクエアが立ち上げたデジキューブがコンビニ直
販で中間マージンを大幅にカットする、という新しい形の流通を始めた。
ところが素朴な疑問を感じるのは大幅に中間マージンがカットされているにも
関わらずソフトの販売価格が変わっていないということである。
ソフト単価が変わらないなら、ユーザーサイドからすれば中間マージンをカッ
トしようがしまいが大きなお世話なのだ。

 いつの間にか値段の話になってしまったが、とにかくスーパーファミコンの
ソフトは高かった、実際にはディスカウント店などの値引きにより実質価格は
6000円から8000円だったが、大作ソフトともなるとまるで値引きされ
ないことが多く、かなり辛いものがあった。


 ところで、これを書きながら思ったのはスーパーファミコンというのは安定
期のゲーム機かもしれない、ということである。
例えばスーパーファミコンを代表するような、スーパーマリオ、ドラゴンクエ
スト、ファイナルファンタジーといった大作ソフト群にしてもファミコンで発
売されたゲームの続編で、それぞれN64、プレイステーションで現在も発売
され続けている。
特に、スーパーマリオや、ファイナルファンタジーは64やプレイステーショ
ンに移った際、大幅にゲームのクォリティがアップしたが、それに比べると、
ファミコン版からスーパーファミコン版のグレードアップの幅は小さいものだ
った。

 勿論、スーパーファミコンで第一作をリリースした名作ゲームも少なくない
が、スーパーファミコン全盛期はゲーム業界そのものが安定の時代に入ってい
たのか、それほど画期的なゲームが発売されない代わりに安定したクォリティ
の連作ゲームが多い時期だったのかもしれない。



AXL 2001

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