レトロゲームレビュー/名作、クソゲー等ファミコン時代から網羅

RPGぶつぶつ記


 「あの頃ゲーム」レビューを書く時に一応、対応機種やメーカー、ゲームジ
ャンルなどを書くことにしているが、実はこの中の「ジャンル」の表記は実に
適当だ。

 本来は最も一般的で適切な表記をすべきなのだが、殆どおいらの主観とその
時の気分により適当なジャンル名を書いている。
例えば、ドラゴンクエストタイプのRPGの場合には「非リアルタイムRPG」
と書いているが、そもそも「非リアルタイムRPG」などという言い方は全然
一般的ではない。
最近でこそ戦闘にリアルタイム要素を加味したRPGもあるが、以前はアクシ
ョンRPGかそうでないか、というくらいの違いしかなかった。

そもそも「非リアルタイムRPG」という表記をおいらが目にしたのは、ドラ
ゴンクエストの広告に於いてのみで、以後「非リアルタイム〜」などというジ
ャンル表記は見たこともない。

 しかし、いまだにわざわざ「非リアルタイム〜」という言葉を使い続ける理
由はおいら自身が大のリアルタイムゲーム嫌いだからなのだ。
最近では信長の野望などのシミュレーションゲームまでもがリアルタイム要素
を取り入れつつあるが、「リアルタイム」という詠い文句が載った時点で、よ
っぽど興味のあるゲームでもまず購入を諦めてしまう。

 要するに苦手なのだ。
ヨーイ!ドン!で自分と敵軍の状況を的確に把握し、その時点で最善と思われ
る行動を選択し、即座に実行に移すということが。
大体、コンピュータというのはそういうことを一瞬で計算し、実行することを
何とも思っていない連中なので良いかもしれないが、こちらは色々大変なのだ。
色々と悩むこともあるのだ。
時には傷つき、絶望することもあるのだ。

 そんな生身の人間と、機械伯爵であるところのコンピュータがまともにリアル
タイムで戦って勝てるわけがない、という思い込みがおいらにはある。
その点、非リアルタイム〜は極楽だ。
こちらがコマンドを入力するまでは、何分でも何年でも辛抱強くコンピュータは
待ってくれる。
たとえ、その間にトイレに行きたくなろうが、クロネコヤマトの宅急便が来よう
が発作的にポール・マッカートニー死亡説の真相を調べたくなろうが、いついつ
までも待ってくれる。
金銭的余裕と語学力さえあれば、スライムとの戦闘の合間にシャンゼリゼ大通り
でパリ・ジェンヌと恋に落ちることすら夢ではない。

 こんな懐の深さがリアルタイムゲームにあるか?と言いたい。
自分の胸に手をあててよく反省しろ!とも言いたい。
終わった奴から帰ってよし!とも言ってみたい。


 そんなわけで、おいらは「非リアルタイム系」ゲームへの愛を込めてドラクエ
タイプRPGは「非リアルタイムRPG」と呼びたいのだ。


 RPGといえば、ウィザードリィが苦手だ。
仮にも昔のゲームをレビューしておきながらこんなことを言ってしまうのは大変
心苦しいが、このメルマガに「ウィザードリィ」が取り上げられることはないと
思って頂いて構わない。
何せ、ほとんどやったことがないのだ。

 大体、昔の3DダンジョンRPGというのはよくない。
何がよくないのかというと、同じグラフィックを使いまわしてダンジョンを構成
しているという点が非常によくないのだ。
おいらは基本的にマッピングなんかするくらいなら死んだ方がマシ、というタイ
プのヒトなので、記憶と勘だけに頼ってダンジョンを徘徊する。
ところが、ダンジョンのグラフィックは位置に関係なく同じものを使いまわして
いるので、すぐにどこにいるのか分からなくなるのだ。
ゲーム中にトイレに行ってきたり、直前の戦闘に熱中したりするともうダメであ
る。
さらに、ゲームによっては「床が回転するトラップ」があるものも存在するとい
うではないか。
「てめぇら人間じゃねえ!」と言わせて頂きたい。

 ちょっと考えて欲しいのだが、仮に、自宅の廊下の床が回転したとしても道に
迷うことはない。
何故ならどう回転しようが、一ヶ所で回転している限り、周囲の景色がまわるだ
けで、回転が終わった後で自分の行きたい方向に向き直るのは簡単な話だからだ。

 しかし、全て同じグラフィックで構成されている3Dダンジョンに置いて、床
が回転したらどういうことになるか?
ああいったゲームにおいては、南北を貫く一本道で、「北を向いている状態」と
「南を向いている状態」にどのような違いがあるというのだ?
突然、北と南が入れ替わっても絶対に気づけない、という点が非常によくない点
だと思うのだ。

 そんなワガママが通るのか?と言いたい。
北は南ですか?とも言いたい。
山は死にますか?とも言ってみたい。


 というわけで、こういったタイプのゲームはなかなかレビューに登場しないと
思うのだが、出来ることならこれからも温かい目で見守ってやって欲しいのだ。



AXL 2002

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