レトロゲームレビュー/名作、クソゲー等ファミコン時代から網羅

MISTY Vol.1~7


Media :PC88,FM-7,MSX2,FM-TOWNS,X68000他
Maker :DATA WEST
種 別:テキスト推理アドベンチャーゲーム
発売日:1989年


 ゲーム史上、最も硬派な推理ゲーム。
このゲームは1989年にパソコンで発売されたゲームだが、何とグラフィックも
BGMも無く、画面にはただテキスト(文章)が表示されるだけなのだ。
プレイヤーは刑事として起こった犯罪を調査し、状況や証拠から犯人を推理す
る、という内容としては推理アドベンチャーゲームとしては王道的なものだが、
そのシステムは実に斬新なのだ。

 このゲームにはあらかじめ複数のシナリオが入っているが、基本的に前後の
シナリオにストーリー上のつながりなどは存在せず、一話完結となっているの
でプレイヤーは好きなシナリオからゲームをはじめることが出来る。

 まずはじめに事件の概要が示され、そこから先はプレイヤーの判断で捜査を
開始する、現場を調べたり関係のありそうな場所に聞き込み調査に行ったり・
・・・という具合だが、これには回数制限があり、決まった回数しか行動がで
きないようになっている。

 制限が来た時点でプレイヤー自身が事件の犯人、動機、トリックなどを言い
当てる、というこれ以上ないほどにシンプルなゲームなのだ。


 このタイトルはシリーズ化され、最終的に7本が発売されており、1本に複
数のシナリオが収録されていたことを考えるとかなりのボリュームにはなるの
だが、いかんせんゲームとしては非常にあっさりし過ぎている、という欠点も
あった。


 つまり、このゲームの場合、一度クリアしてしまったシナリオはもうプレイ
ヤーにとって何の価値もないものに成り下がってしまう上に、アドベンチャー
ゲームにつきもののストーリーという要素が皆無な為、半ばゲームブック的性
格の強いソフトなのだ。
価格の方も、5000円と当時8000円台後半だった他のソフトに比べると
確かに安いことは安いのだが、内容を考えると決してお買い得とはいえない。
しかし、この頃から電気紙芝居化してしまったアドベンチャーゲームの中では
「プレイヤーが本当に推理しなければならない」というのは非常に斬新な試み
ではあった。



AXL 2003

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