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「ドルアーガの塔」

Maker :namco
Media :アーケード、FAMILY COMPUER,MSX,PC-Enzine等
発売日:1984
種 別 :アクションロールプレイングゲーム


 アーケード初のアクションロールプレイングゲームである。
そもそもローププレイングとは「役柄を演じる」という意味である。
「魔王を倒す勇者」の演じる、という意味でRPGという言葉がこの手のゲー
ムの代名詞として使われるようになったのだと思うが、例えば警視庁操作1課
の刑事となって殺人事件の謎を解くアドベンチャーゲームも「ロールプレイン
グ」だし、ピーチ姫を助け出すために大冒険するマリオも「ロープレイング」
である。

 というわけで、「ローププレイングゲーム」という言葉と経験値を稼いでレ
ベルを挙げて行くゲームとは言葉の上では何の繋がりもない。
また、アーケード初のアクションロープレイングゲームである、「ドルアーガ
の塔」にしても経験値やレベルといった要素は存在しない。

 ただし、ドラゴンクエスト登場以前のRPGには「謎解き」という要素が切
っても切り離せないものだった。
「ドルアーガの塔」がRPGといわれるのは、この「謎解き」要素がふんだん
に盛りこまれているからに他ならない。
 内容は主人公の剣士、ギルとなり、60階建ての「ドルアーガの塔」を1階
から敵を倒しつつ上階に上がってゆき、59回でドルアーガを倒し60階にい
るカイという少女を救出することである。

 ただし、単に上の階へ上がっていけば良いというものではなく、各階に隠さ
れた宝箱を探し出し、中のアイテムを手に入れてパワーアップしていかないと
とても上階の敵には太刀打ちできないし、アイテムを取り忘れると実質ゲーム
クリアが不可能になる。

 この宝箱も各階のどこかに置いてあるわけではなく、ある行動を取った時に
だけ現われる、つまり隠しキャラのようなものである。
隠しキャラをおまけ的な要素でいれているゲームは数知れないが、「隠しキャ
ラ」を出さないと先に進めないというゲームは珍しい。

 もっと困ったことには、ハイドライド、ザナドゥなどの初期名作RPGがそ
うであるように、ゲーム中に言葉を喋るキャラクターは一人も出てこないので
どうすれば宝箱が出てくるかといったヒントは一切存在しない。

 今にして思えばよくこんな恐ろしいゲームをゲームセンターに置いたものだ
と思うが、このゲームは大ヒット作となり、ファミコンにも移植される。


 おいらが主にプレイしたのはファミコン版で、友人が買ったドルアーガを一
緒になって一日がかりでプレイした覚えがある。
攻略本のお陰で宝箱を探すことにはそれほど苦労しなかったが、59階のドル
アーガがどうしても倒せなかった。

 このゲームには体力メーターのようなものは存在しないが、一応体力に相当
するパラメーターはあるらしく、ドルアーガを出現させる為にザコキャラを一
層する段階で敵キャラの攻撃を受けすぎてしまうと、絶対にドルアーガには勝
てないようになっていた。

 攻略本を何度も見返しながら何度も何度も挑戦したが、結局ドルアーガに勝
てず、ブチ切れたおいらはついに「知るか!」と言い放って、ドルアーガを無
視したまま60階に上がってしまった。

 このゲーム、実はドルアーガを倒さなくても60階に上がることができるよ
うになっているのだ。
とにかく60階でカイさえ助けてしまえばなんとかなるだろう・・・と思って
階段を上がったが、画面には、"YOU ZAP TOO"という見なれない文章が表示され
た、急いで攻略本で調べてみるとZAPというのは、一定の条件を満たさないで、
上の60階に到達した場合、ギルが「塔から突き落とされる」というルールが
あり、それを知らせる表示だったのだ。

 つまり、おいら達はいきなり25階くらいまで引き戻されてしまったのだ。
そこで、明日のジョーのように真っ白に燃え尽きてしまったおいら達はドルア
ーガ攻略を断念したが、小学生時代のおいらの別の友人の中に、このゲームを
アーケードでノーミスでクリアできる、という伝説を持つ男がいて、そいつと
一緒にドルアーガの二人用をプレイした友人の話では「初めておれがゲームを
やれたのは、奴がゲームクリアした後だった。」と語っていた。


 確かに独特の雰囲気、オリジナリティ、先進性などは名作と呼ぶにふさわし
いゲームだとは思うが、他の初期RPGと同じくどうもおいらはこの手のゲー
ムが苦手である。



AXL 2001

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