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「ディグダグ」


Media :アーケード、MSX,PC88,FAMILY COMPUTER,Play Station,GameBoy Advance等
Maker :namco
種 別:画面固定型アクションゲーム
発売日:1982年


 アーケード黎明期の名作。
プレイヤーは主人公を操作して、地中を掘り進み、敵キャラであるプーガとフ
ァイガを全て倒せば1ステージクリアとなる。
攻撃方法は少々変わっていて、敵キャラにモリを打ち込み、ボタンを連打する
ことにより空気入れのポンプを押し、破裂させるというもの。
また、この方法以外にも地中に埋まっている岩を落とすことで複数の敵を同時
に倒すとボーなるポイントが入る。

 見た目の斬新さ、親しみ易いキャラクター、そして戦略性の高い内容から大
ヒットなり、"ZIG ZAG"というコピー基盤が出回り裁判沙汰になったこともある
らしい。
また、地中を自由に掘り進むという内容は、ユニバーサルの"Mr.Do!"というゲ
ームにも影響を与えたことは明らかである。
しかし、以前、"Mr,Do!"は所詮「ディグダグのパクリだ」という声を耳にした
ので、ついでに書いておきたいのだが、確かにディティール的に似た部分はあ
るが、"Mr.Do!"は決してそれだけのものではなく十分にオリジナル要素の入っ
たゲームである。
攻撃アイテムであるボールの使い方、敵を全滅させてもいいし、フルーツを全
て集めても、どちらでもステージクリアとなる当時としては非常に斬新なアイ
ディア、完成されたゲームバランスなどどれをとっても"Zig Zag"とは雲泥の
差があるのだ。


 さて、話をディグダグに戻すが、おいらは当時、スイミングスクールの行き
帰りに駄菓子屋でよくこれをプレイしており、飽きっぽいおいらとしてはそれ
なりに自信のあるゲームだったのだ。
ところが最近、彼女と二人でこのディグダグをプレイしてみたところ、初めて
プレイしたという彼女にあっさりと負けてしまった。
確かにおいらは決してゲームは上手くはないのだが、あれだけ駄菓子屋で遊び
倒し、ファミコン版まで購入したおいらの「ディグダグ人生」は一体何だった
のだ・・・ということになってしまうではないか。

 どうしても納得のいかないおいらは、彼女がプレイしているのをじっと観察
してみることにした。
そして、どうしておいらが負けたのか、その理由があっさりと分かってしまっ
た。

 つまり、彼女は一切高徳点を狙っていかないのだ。
岩を落下を利用した集団圧殺もしないし、一匹づつ確実に勝負で潰していく。
さらに、敢えて地中の深いところで敵を倒そうという気もなく、最後の一匹に
至っては追ってもいかない。
得点無視のクリア優先プレイ、ローリスク・ローリターンなプレイなわけであ
る。

 対するおいらは、長年のこのゲームの「常識」が染み付いているので、とり
あえず岩に向かって直線を掘ってしまうし、2匹以上溜まらないと決して岩は
落とさない。
敵を膨らませるのもなるべく得点の高い深い地中を狙ってしまうし、最後の一
匹も絶対に逃がさない。
別に意識してやったわけではないのだが、長年の経験で自分の意志とは無関係
にそういうプレイが染み付いてしまっているのだ。

 大体、プーガやファイガを一匹づつ殺すなんて、それそのものが「卑怯」だ
と思っていたし、最後の一匹にまんまと逃げられぬなど末代迄の恥である。

 しかし、自分の敗因が分かると同時に改めてnamcoというメーカーの着眼点
の鋭さを思い知らされてしまった。
つまり、これこそが初心者でも熟練者でも楽しめるゲームというものなのだ。
単純にクリアするだけなら簡単にクリアに出来、しかもやり込み要素がある
ので、プレイの仕方次第で難易度が全く変わってしまう。
考えてみればマッピーを始め当時の殆どのnamcoゲームにはこれがあった。
確かに当時からそれはnamcoゲームのひとつの特徴として理解していたつも
りではあったが、改めて感心してしまった。

 ところで、最近流行りのnamcoのミスタードリラーというゲームがあるが、
落ち物パズルの亜流というより、むしろ懐かしいディグダグの雰囲気の感
じてしまうのはおいらだけだろうか?



AXL 2001

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