レトロゲームレビュー/名作、クソゲー等ファミコン時代から網羅

「第四次スーパーロボット大戦」

Media :スーパーファミコン、Play Station(同S)
Maker :バンプレスト(開発:ウィンキーソフト)
種 別:キャンペーン型シミュレーションゲーム
発売日:1995年

 今尚、多くのハードで発売され続けている人気シリーズの中興の祖といった
ところ。
ゲームの内容は、マジンガーZやゲッターロボ、コン・バトラーV、ガンダム
といったおいらくらいの世代にとっては非常に懐かしいロボットアニメの主役
達がオールスターキャストで展開するキャンペーン型のシミュレーションウォ
ーゲームである。
第四次に登場するロボット達をちょっと挙げて見ると、ゲッターロボを筆頭に
マジンガーシリーズ、ライディーン、コン・バトラーV、ガンダムシリーズ、
エルガイム、ダンバインなどなど・・・。
普通に考えれば全く違うストーリーや世界観を持つ作品をこれだけ登場させれ
ば大抵破綻をきたしてしまうものなのだが、その辺はなかなかうまくシナリオ
で調整されている。

 次にシリーズについて簡単に説明しておくと、第四次も含めて現在「スパロ
ボ」といわれているものの一番最初のものはファミコンで発売された「第二次
スーパーロボット大戦」である。
実はこれより前にゲームボーイに「スーパーロボット大戦」というゲームが存
在していたのだが、このゲームにはそもそもロボットとパイロットという概念
が存在せず、ガンダムならガンダム、マジンガーZならマジンガーZそのもの
が一つの生命体として設定されていた為、ストーリー的な繋がりはない。


 ファミコン版の第二次からスーファミの第三次を経て三作目となる第四次で
はシステム的にもほぼ完成されていて、シナリオもかなりのボリュームになっ
ている。
基本的には敵を倒すことでマップをクリアし、敵を撃破した経験地でパイロッ
トを成長させ、得た資金でロボットの基本性能や攻撃性能を向上させていき、
最終マップまでクリアする、というもの。
資金はどれだけセコく稼いでも決して全てのユニットを最強レベルに改造する
ような金額にはならない為、ここでプレイヤーの趣味が問われることになる。
やっぱりガンダムファンだったら、ガンダム中心でいきたいし、ゲッターロボ
ファンなら全てのゲッターを最強にしてしまいたいと思う。

 ところがここがちょっとした落とし穴で、趣味を優先させると後になって取
り返しのつかないことになってしまう場合もあるのだ。
はっきり言ってしまうと、第四次も含めたスパロボシリーズの本命はゲッター
ロボ(ゲッター1)で、好きでも嫌いでもこれを中心にしておけば何とかなる
のだが、例えばマジンガーZの場合、序盤はいいのだが、後半に行くにつれて
明らかに力不足になってしまう。
その為、第四次の場合、後半でグレートマジンガーやグレンダイザーも登場す
るが、これらは別ロボット扱いなので、改めて資金を投入しなければならない。

 最初から資金を投入しても必ず元が取れるゲッター1に比べるとマジンガー
は最大でその3倍の資金が必要となるのだ。

 他にもどんなにガンダンクが好きでもダメなものはダメだし、どれだけコウ・
ウラキに入れ込んだところでアムロやシャアにはかなわないのである。

 これらのロボットやキャラクターを主力にしたら絶対にクリアできない、と
までは言わないが、多分、おいらには無理だと思うのだ。


 第四次はシステム的にもシナリオ的にも他のシリーズと比べて優れている点
が多いのは確かだが、実はひとつだけ問題もある。
戦場マップのどこかに資金や強化パーツが隠されており、その座標にユニット
が進入すると手に入る、という一種の隠しボーナスがあるのだが、このゲーム
の難易度は決して低くはないので、逆にいうとそれを集めていかないことには
さらに難しくなってしまうのだ。
ゲーム中にある方法でそれを探すことはできるのでまるっきりの隠しボーナス
というわけでもないのだが、どちらにしても、ほぼ全てのマップで義務的にそ
れらを集めていかないといけない、というのは非常に面倒である。

 ちなみにこの作品は後にプレイステーション用に「第四次スーパーロボット
大戦S」としてリメイクされるが、その時にはじめて各キャラクターがオリジ
ナル声優の声で喋るようになる。
現在では一部のROM版を覗いては全てのキャラクターが喋るのが当たり前にな
っているが、第四次Sの際はあくまでも「大多数のキャラ」が喋るに過ぎず、
決して全てのキャラが喋るわけではなかった。

 喋らなかったキャラの代表的なものは、グレンダイザーの主人公で、これは
オリジナル声優の富山敬さんが既に亡くなられていたことによるもの、ザンボ
ット3の主人公も喋らず、こちらは「現在メインでやっているキャラクターの
イメージを崩す恐れがある」との理由で声優さんが辞退されたらしい。
ちなみにその声優さんとは大山のぶ代さんである。
別にザンボット3の主人公が、ドラえもんのイメージを崩すほどろくでもない
キャラだった・・・というわけではないのだろうが、やはり子供達にとっては
ドラえもんの声が別の人をやっているというのは夢を壊しかねないのかもしれ
ない。



AXL 2001

HOME