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「ロードランナー(ファミコン版)」

Media :Family Computer
Maker :ハドソン(ブローダーバンド)
種 別:パズル・アクションゲーム
発売日:1984年


 どういうことなのか意味が分からなかった。
このゲームは1984年の夏にファミコン初のサードパーティ製のソフトとして発
売されたものだが、このゲームが発売された当初、おいらはどうしてファミコ
ンのゲームが任天堂以外の会社から出るのか、その意味が全く理解できなかっ
た。

 今でこそ、ソフトだけを専門的に作るソフトハウスの存在は当たり前で、確
かにその当時も、パソコンゲームなどはほとんどがソフト専門の会社が開発・
販売していたが、こと家庭用ゲーム界に於いてはハードをリリースした会社が
ゲームを販売するというのが当たり前で、他の会社がゲームだけを販売して果
たして商売として成り立つものなのか、子供心に余計な心配までしまてしまっ
た。

 もちろん、ファミコン初の任天堂以外の会社から発売されたゲームというだ
けでも十分においらの興味を引いたが、ロードランナーの広告に掲載してあっ
た「ステージ数50面」や「ステージ・エディット(作成)可能」といった煽
り文句はそれ以上に魅力的なものだった。

 ロードランナー以前に販売されていた任天堂製のファミコンソフトのほとん
どはせいぜい4ステージ程度の繰り返しで、全く更正の違うステージが50も
入っているなどということは考えられなかったし、自分で好きなようにステー
ジを作成できるというのも、それまでのファミコンゲームの常識からすれば夢
のような話だった。


 実はおいらはこの時点で完全にロードランナーの魅力にまってしまい、ゲー
ム内容などはあまり深く考えもせずに購入してしまったのだ。
簡単に内容を説明しておくと、画面は横方向に2.5画面の広さを持っている。
固定画面式のゲームでゲーム画面がスクロールするというのもファミコン史上
初だったのだ。
そのステージの中で主人公のロードランナーは、警備ロボットにつかまらない
ように、ステージ内に散らばる金塊を全て集める。
全ての金塊を集めた段階で、画面上部へと続くハシゴがあらわれるので、その
ハシゴを上りきってステージから脱出すれば1ステージクリアとなり、様々な
趣向を凝らし、パズル要素の強いステージが50面用意されているのだ。


 ロードランナーは警備ロボットを直接攻撃することは出来ず、またジャンプな
どで警備ロボットを飛び越えることもできない。
両側を敵に囲まれてしまった場合は、平安京エイリアンのように地面のブロック
に穴を掘り、ロボットを埋めてしまうのだ。
ロボットは一旦穴にはまっても時間が経てば出てきてしまうが、穴に入っている
間に頭を踏み台にして逃げてしまえばいいし、穴は放っておいても勝手に埋まっ
てゆくので、タイミングさえあわせれば、落ちたロボットをそのまま穴に埋めて
しまうことも可能だ。


 序盤のステージはとにかくロボットにつかまらないように動いてさえいれば、
ステージのクリアは可能だが後半にいくと、パズル要素が強くなり、金塊を取る
順番やロボットを埋める場所を予め考えておかないとクリアできなくなってしま
うようなステージも出てくる。

 反射神経だけでどうにかなるゲームではない、という奥深さがあり、一度ハマ
ってしまうと中毒性はかなり高い。


 このロードランナーというゲームはハドソンが開発したものではない。
ブローダーバンドという海外のソフトハウスの手によるもので、同社は後にハド
ソンがファミコンで発売することになるバンゲリングベイや、あのカラテカなど
も作っている。
その為、一口にロードランナーといってもオリジナルであるアップル2版から始
まり、国産パソコン用、アーケード用、ファミコン以外の家庭用ゲーム機用と数
多くリリースされており、何とファミコンのディスクシステム用にもアイレムか
らスーパーロードランナーというタイトルが2本ほどリリースされている。

 しかし、個人的にはハドソン版のロードランナーが一番思い出深い。
もちろん、最初に出会い、一番やり込んだタイトルだから、という単純な理由な
のだが、パソコン版のやたら細身のロードランナーに比べるとファミコン版のロ
ードランナーはおいらにとっては非常に親しみ易いキャラクターだったのだ。

 ちなみに、ロードランナーのエディットステージはカセットには記録できない
が、ファミリーベーシックと専用データレコーダーを使用することでカセットテ
ープに記録しておくことが出来る。
同時期に発売されたナッツ&ミルクや任天堂のエキサイトバイクにも同様の機能
があるが、ファミリーベーシックとデータレコーダーまでセットで持っているユ
ーザーがほとんどいなかった為に、あまり利用された、という話は聞かない。

 おいらは、といえば、不幸にも両方とも持っていた為に、ほとんど意地で利用
していたが、それほど凝ったステージを作った覚えもないので宝の持ち腐れだっ
たことは否めないのだ。



AXL 2002

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