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「ライフ・イズ・ミュージック」

Media :PC-9801VX以降(?)
Maker :光栄(コーエー)
種 別:アーティスト人生シミュレーションゲーム
発売日:1992年(?)


 非常にマイナーなゲームである。
発売されたのはそれほど昔のことではないのだが、どういうわけか今、このゲ
ームに関する情報は非常に少ない。
おいら自身もリアルタイムでプレイしてしばらくやらない内にディスクを無く
してしまったので10年近くプレイしたことがないのだが、簡単に内容を説明
すると、プレイヤーは売れないアーティストとなり、作曲家に曲を書いて貰い、
ライブハウスでの小さなライブを皮切りに実力をつけていき、インディーズシ
ーンからメジャーデビュー、そして最終的にはワールドツアーを成功させる。
というアーティストサクセスストーリー的な「シミュレーションゲーム」なの
である。


 おいらの記憶にある限りで、システムを説明すると、プレイヤーの立場はバ
ンドの1構成員である、恐らく、ヴォーカルまたはリードギターといったポジ
ションだとは思うのだが、厳密にどちらなのかはゲーム中全く語られることが
ないので不明である。

 次に作曲家に曲を提供してもらう、これは当然作曲料を支払わなければなら
ない為、最初はあまり売れない作曲家に頼んであまり売れそうもない曲を提供
してもらうことになる。
次にバックバンド、またはバンドのメンバーを募集する、というシステムがあ
ったような気がするのだが、これに関しては記憶があやふやでちょっと自信が
無い。
あったとすればこれも当然、演奏の実力に応じてランクがあったはずである。
貰った曲をまずは小さなライブハウスなで演奏することになる。

 この「演奏」はリアルタイムで行われ、プレイヤーはなんと「マウス」を使
って「演奏」に参加することになる。
実はこれが非常に難しく、というか分かり辛く、ある程度音感のある人でない
と高得点を狙うのは難しい。

 観客の評価は、曲そのものに対する評価、そしてプレイヤーの演奏、あれば
バンドの演奏能力に対して決まり、ある程度ライブハウスで人気を得ることが
できれば、大手レコード会社との契約をすることが出来、レコード(CD)を出
すことができるようになる。

 録音はスタジオで行われ、3テイクまで1曲のみ録音することができる。
3テイク中最もうまく演奏できたものを正式版としてリリースことができ、こ
のレコードも曲、バンド、そして演奏の出来によって売れ行きが決まってくる。

 ここでさらに人気を得ることが出来れば、より実力のある作曲家に頼んでよ
り売れそうな曲を書いて貰ったり、国内ツアーを行うことができる。
基本的には最初のライブハウスでの演奏と同じだが、観客動員数は飛躍的に増
え、その分、客の評価もシビアになってくるのだ。

 さらに順調に売れ続けることが出来れば、ワールドツアーを行うことができ、
おいらの記憶では、2年、もしくは3年間連続でワールドツアーを成功させる
ことが出来れば、このゲームはエンディングを迎えることができたはずである。


 当時の光栄のゲームとしては非常に変わったゲームである。
いや、光栄に限らず、これに類するゲームをおいらは他に知らない。
音楽というジャンルをいち早くゲーム化した先見性もあるが、シミュレーション
ゲームの中にちゃんと音楽を取り込んでしまっているという点が非常に見事だ
と思うのだ。

 難をいえば、「演奏」のシステム自体が非常に分かり辛く、どうすれば高得
点を狙えるのか?が具体的に説明されていない点があるが、何曲が演奏してい
る内に、必ず自分に合った曲が1曲くらいは見つかるもので、おいらの場合、
ドアーズの「ハートに火をつけて」だけは平均以上の得点を出せるようになっ
たので、事実上、この曲だけでゲームをクリアしてしまった。


 残念ながらこのタイトルはシリーズ化されず、(厳密にいうと、このタイト
ル発売前に「バンドくん」というタイトルの先輩ソフトは存在していたが)現
在では全く聞かないソフトになってしまったが、アーティストの人生そのもの
をゲーム化する、というジャンルの希少価値と、出来の良さはかなりのものな
ので、廉価で再発売して欲しい1本である。



AXL 2001

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