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ランボー・怒りの脱出

Media :MSX(ROMカートリッジ)
Maker :PACK IN VIDEO
種 別:四方向画面切り替え型・アクションゲーム
発売日:1985年頃


 このゲームはおいらが初めてMSXの本体を購入した時に、一緒にMSXを買いに
行った友人が本体と一緒に買ったゲームである。
ちなみに、おいらが本体と同時購入したソフトは「ハイドライド」(ROM版)と、
「マクロス」(ボーステック製)である。
特に、ボーステックの「マクロス」については山ほど言いたいがことがあるの
だが、それはまた別の機会に・・・。


 さて、まずはこの「ランボー・怒りの脱出」の内容を説明しよう。
プレイヤーはジョン・ランボーとなり、敵の基地のある島に単身潜入し、敵の
捕虜になっている「重要人物」を救出、その後無事に島を脱出出来ればクリア
となる。

 画面構成はトップビューで四方向に移動可能、ただし、スムーズスクロール
方式ではなく画面切り替え方式、ハイドライドを始め、昔のRPGなんかでは
比較的多かった方式である。
プレイキャラは体力メーター制で、最初に持っている武器はサバイバルナイフ
のみ、その為、序盤は、かなりアクションRPGなどに近い雰囲気でゲームを
進めていくことになる。
ただし、敵を倒しても経験値及びゴールドは手に入らない、主に敵の武器庫な
どを襲ってより強力なマシンガンやロケットランチャーを入手していくことと
なる。

 ゲームの難易度ははっきりいって高めである。
しかし、このゲーム、「世界最弱ゲーマー」を標榜するおいらがやってもかな
り面白いゲームだった。
単純に敵を倒していくアクションゲームではなく、何度かプレイすることによ
り、まずこの武器庫を襲撃して、次はここへ・・・と戦略を立てることにより
よりスムースなプレイが可能になるなど、やり込み甲斐のあるゲームで、難易
度も高いながらも何度もやる気を起こさせるクォリティの高さもあった。

 傑作とまではいかないと思うが、低すぎる知名度に比べるとかなり良いゲー
ムだったとおいらは思っているが、いくつか問題があったのも確かだ。

 ゲーム的の説明でも書いたがこのゲームの目的は、敵の捕虜になっている「
重要人物」を救出すること、だが、「重要人物」の身柄さえ確保すればクリア
というわけではなく、彼の身柄を確保したあとは彼を連れて無事島を脱出しな
ければならない。

 しかし、この「重要人物を名乗るオトコ」がかなりのクセ者なのだ。
ランボーが「重要人物」の身柄を確保するとそれ以後、彼はドラクエのパーテ
ィキャラのように常にランボーの真後ろを一歩下がってついてくる。
それは良いのだが、恐ろしいことに「彼を通り抜けることはできない」のだ。

 常にランボーの真後ろにいる「重要人物」は一種の障害物となり、その為、
ランボーは「真後ろに移動できなくなる」
それだけならまだ良いのだが、敵の攻撃をやり過ごす為に人一人分の幅の窪み
に逃げ込んだ時、その「恐怖」は起こった。

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●特別図解 「重要人物の恐怖!!」
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            こちらが壁側
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. y   y    y    y            y            y     y   y
y     y      y         y   y      y
          こちらがフィールド側

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凡例
 ◎=ランボー
 ★=重要人物
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 このような場所にランボーが入り込んだ場合、どういうことが起こるのか。
先ほども書いた通り、「重要人物」を通りぬけることは出来ない。
つまり「2度と脱出できない」のだ。

 自分が救出した重要人物が邪魔になってランボーは一生は窪みの中で暮らし
ましたとさ・・・。というわけなのだ。
そういう制約があるのなら、ゲーム中のフィールドに「人一人分の窪み」を作
らなければ良さそうなものだが、このゲームにはそれがあるのだ。
その証拠に、おいらははまり込んだ。

 何とこのゲームでは、味方のはずの「重要人物」までトラップになり得るの
だ。ちなみに、ここにハマりこんだおいらがどうしたのかというとおもむろに
武器選択で最強のロケットランチャーを選択し、その後、「重要人物」の方を
向き、思いっきり「重要人物」の頭を吹っ飛ばしてやりましたよ、ええ、その
場でゲームオーバーになりましけどね。


 ちなみにこのゲームの恐怖はこれだけは終わらない、その後またも精進して
ついに脱出用ヘリコプターに乗り込んだ時のことだ。

 画面は島を横から映した一枚絵のCGに変わり、その上をゆっくりとランボ
ー達が乗ったヘリが飛んでいく。

 ついにクリア画面を目にしたおいらと、このゲームの持ち主である友人は、
「おー!ついにやったぜー!」とお互いの見当を讃えあっていた。

 その時、友人が何気なくこんなことを言ったのだ。
「あれ?なんだろ?まるで砲台みたいだね?」

 いわれてみれば、島のグラフィックの中にに不自然に大砲が一つだけ描かれ
ていた。
せっかくの大団円なのになんか不自然だよな・・・と思ったのも束の間、その
「砲台のようなもの」から「まるでミサイルのようなもの」が発射された。
状況がまったく飲み込めず目を丸くするおいら達の目の前で「まるでミサイル
のようなもの」はランボーの乗るヘリとの距離をどんどん縮めていき・・・。

 程なく「まるでミサイルのようなもの」の直撃を受けたランボーのヘリは、
大爆発、空中大破した。

そして画面には「GAME OVER」の文字が・・・・。

「なにこれ・・・? エンディングじゃないの?」
「っていうか、あの砲台って・・・あんなのあったっけ?」
「あれ・・?そういえばゲーム中、一度も攻撃してこないけど破壊すると破壊
できる「何だかヘンなもの」があったような気がしない?」
「え?でも、あれ攻撃しないんだから敵じゃないんじゃない?」
「いや、対空専用の砲台だった可能性も・・・。」
「ああ・・・・・。そういうことね・・・。」


 というわけで、このゲームは脱出する前に「絶対に大砲には見えない何だか
妙なもの」を全て破壊しないとバッドエンディングになるという、イヤなコダ
ワリのあるゲームなので、もしこれからこのゲームをプレイする人がいたらく
れぐれも気をつけて欲しい。

 おいら達が「真のエンディング」を目にしたのはそれからさらに数日後のこ
とだった・・・。

 最後に、このゲームそのものは、おそらくMSX ROM版でしかリリースされて
いないが、その後、このゲーム続編が「地獄ゲーム復活!!」のキャッチコピ
ーと共にPC88版としてリリースされている、タイトルは「スーパーランボー」
だったような気がするのだが、こちらはプレイしたことがないのでちょっと
自信がないのである。



AXL 2001

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