レトロゲームレビュー/ゼノサーガ エピソードI 力への意思

ゼノサーガ

エピソードT 力への意思

 

 

機種

プレイステーション2

発売元

ナムコ

ジャンル

ロールプレイング

発売日

02年2月28日

サウンド

光田康典

価格

7,800円

(限定版:12,800円)

推定国内売上本数

45万本以上

プレイ時間

50時間以上

今作の批評家

五十住拓哉

 

 

ゲームとしては凡作といわざるを言わざるを得まい

 

 

グラフィック

2年近く前の作品なわけですが、今見ても絵的にはさすがといった感じです。

3Dマップでもカメラ固定のためストレスはなし。

10

 

 

 

雰囲気

SF的な世界観としてよく出来ていると思う。そういったところを期待していた

だけに、色々と穴も見つけてしまうわけですが・・・。

 

 

 

システム

戦闘システムはきわめて単純、にも関わらずうまく使いきれていない。その他

周辺のシステムも特筆するほどのものはない。データベースは良かったけど。

 

 

 

 

操作性

可もなく不可もなく、といったところ。開発側からしてもシナリオ重視の作品に

するつもりでしょうから、奇をてらう必要は無いんでしょうね。

 

 

 

 

プラス要素

ミニゲームが豊富なわりに、一度としてそれを強要することは無い。

完璧なオマケ扱い。出来はいいですよ、特にゼノサーガ自体を題材にした

カードゲーム、危なくハマりそうでした。

 8

 

 

 

プレイ感想

世界観の構築はなかなかのものです。設定、ストーリー進行などについては

それなりに楽しめました。細やかな設定を生かすための用語辞典を内包して

いるのも良い。というかアレが無かったらストーリーについていけないわけ

ですが・・・。ただ、シリアスなストーリーにあのCGの雰囲気があっていない。

なんですか?あの清潔感あふれるグラフィックは。そのギャップのせいで、

ストーリー性をけっこう損なっている気がするんですよねぇ。

 

これもグラフィックの影響かもしれませんが、キャラクターに魅力が

感じられない・・・。どいつもこいつも微妙にどこかがズレている感じがします。

惜しいところでは、KOS−MOSとアルベドあたりはまぁ許せる範囲。

ある意味KOS−MOSは一番許せないんですが(最終兵器のロボットという

設定なのに美少女型)、思わせぶりな複線がいくつか張ってあったので

きっと必然的な設定なんだ、ウケ狙いじゃない・・・と信じておこう。

 

ふむ、私がこんなにストーリー周りに触れるのは珍しいことですな。ということで

システム的な感想に移りますが、こちらは平凡な出来なんですよね〜。

戦闘は全ての攻撃に複数の属性が設定してあり、敵の弱点探しが主な

戦略になります。しかし、どの道キャラクターごとにある程度使える属性は

限られているし、戦闘中交代も出来ないのでいまいち意味が無い。ましては、

ほとんどのボスには弱点が無かったりして・・・何のためのシステムなんだか。

もう一つのメインシステムはAP(行動ポイント)ですが、こちらも毎ターン4づつ

回復するにもかかわらず上限は6。貯めてもたかが知れてるわけで・・・。

なおかつ6ポイント使用する動作にそれほど重要性は無い。

たかだかターン性RPGであることを考慮しても、戦略性不足といえるでしょう。

 

まとめます。ストーリー周りはまぁ及第点、ゲームとしてみれば凡作。

ちなみにエピソード1というタイトルからもわかるとおり、ストーリー的に

かなり中途半端に終わるので、購入するときはエピソード2まで考慮に

入れて買うことをお勧めしておきます。

 

 

 

 

私的評価点

 

70

 

 

 

コメント

以上の評価を読んでもらえればわかるとおり私はこのゲームを凡作と言う。

しかし、そんなことは買う前から予想がついていた。ならば何故購入したか?

答えは一つ、「ゼノギアス」を気に入ってしまったからだ。

 

「ゼノギアス」は「ゼノサーガ」の前作にあたるのか続編にあたるのか・・・・・?

はたまた直接のつながりは無いのか、微妙な立場にあるゲームだが、

確実に関係はしている。一応、今シリーズのエピソード5が「ゼノギアス」、

エピソード1が「ゼノサーガ」ということにはなっているが、開発者自ら「新たな

ゲームを作るつもりで作っている、直接はつながらない」とコメントしているので、

このような微妙な関係になっている。「ゼノギアス」も今作と同じで、

システム周りは凡作だった。とはいえ、APシステム、フルポリゴンは、

当時としてはそれだけで多少の売りにはなっていたが、

それを踏まえてもゲームとして微妙な出来であったことは確かである。

ただ世界観・ストーリー・キャラクターに非常に惹かれてしまったため、

未だに私の中で「ゼノギアス」は色褪せてはいない。

 

そんな「ゼノギアス」の続編ということで、私は今作に「ゼノギアス」の雰囲気を

そのままにゲーム的にも魅力のあるシステムを求めていた。しかし実際には、

よりSF的な方向に特化した世界になり、独特のダークさは損なわれ、

そしてシステムの微妙さはそのままという結構その・・・・・ねぇ・・・、

ダメな作品になってしまったわけですよ。

それでもまだ他のRPGに比べればいくらか魅力的な世界観だとは思うので、

現在「エピソード2」を買うか否か思案中。というか確実に続編が出るまでに

ストーリーの半分は忘れそうなんですが。^^;

 

続編といえば、妙にアニメチックなキャラクターデザインは改善されている

みたいですね。急に顔つきがまったく変わるのは違和感ありますが、

やはり今作で批判が多かったのでしょうね。しかし相変わらず清潔感あふれる

雰囲気は変わっていないようで、「ゼノギアス」のダークな雰囲気が好きだった

私としては、ちょっと焦点がずれてるんじゃないかと・・・まぁいいけどさ。

 

 

 

2004年 1月16日