レトロゲームレビュー/ベイグラントストーリー
VAGRANT STORY
機種 |
プレイステーション |
発売元 |
スクウェア |
ジャンル |
アクションアドベンチャーRPG |
発売日 |
00年2月10日 PS one Books版:02年2月21日 |
価格 |
6,800円 PS one Books版:2,500円 |
プロデューサー |
松野泰己 |
サウンド |
崎元仁 |
国内売上本数 |
30万本以上 |
プレイ時間 |
40時間以上 |
シドニーを追い、一人レアモンデへと経つ。 闇に閉ざされたストーリー
グラフィック |
ムービーを一切使わずに、全シーンをポリゴンアクションのみで表現している。 グラフィックレベルは非常に高いが、アップになるとさすがに粗さが目立つ。 中世ヨーロッパを思わせる建造物や、静寂さを生み出す澄んだ空気感が凄い。 |
9 |
サウンド |
足音や川の流れる音、また攻撃した時の効果音が際立つ。音色のとても美しい BGMは強くは主張せず、魔都レアモンデの神秘的な雰囲気を漂わせている。 |
8 |
システム |
リスクゲージやチェインアビリティ、武器の種類とその合成、そして敵との相性。 膨大なデータ量とさまざまなパターンが考えられるこの新しい戦闘システムは、 やり応えが抜群な反面、面倒で疲れてしまうマニア向けのシステムだ。 |
9 |
操作性 |
戦闘は慣れれば楽にチェインがつながるようになるだろう。通常のアクション シーンでは、一瞬遅れるような操作感がたまに謎解きの障害になることがある。 |
8 |
プラス要素 |
松野氏お得意の聡明な世界観が構築されており、すっぽりとハマれるだろう。 武器の合成はやり込みにもってこい。2週目以降もうまい広がり方で楽しめる。 |
8 |
外観評価点 |
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42 |
プレイ感想 |
神秘的な世界や裏のあるストーリー、そして魅力的で影のあるキャラクター達が すぐにプレイヤーを引き込んでくれる。しかし、戦闘システムは独特で、こちらは すぐに覚えられるようなものではない。武器の属性と敵との相性をあわせないと 全くダメージを与えられないことだってある。ただ、後半にはその仕組みは把握 できるだろうし、チェインアビリティをうまく使って賢く戦えるようにもなるだろう。 問題はそこに辿り着くまでに投げ出してしまわないかということだが、これだけ 突き放された感があると、不安になって諦めてしまうこともあるかもしれない。 何とかラストまで行ければ、この不思議な物語の真相がおぼろげに見え出し、 さらにこの世界に深く浸れるようになれるのだが。とにかく、さらに深く入れる プレイヤーと、途中で諦めるプレイヤーをはっきりとわける内容だった。 |
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内容評価点 |
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40 |
総合評価点 |
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82 |
コメント |
クエスト時代には「伝説のオウガバトル」と「タクティクスオウガ」で、そして スクウェアに入社後は「FFタクティクス」を送り出した松野氏。彼が任された 完全なオリジナルタイトルが、この「ベイグラントストーリー」である。 松野氏が生み出す世界観はとても深く作り込まれており、政治や宗教などの 思想がストーリーに密接に関わってくる・・・・私にとっては正直難解なのだが、 そんな内容がファンを虜にしてきた。聞いたところによると、松野氏はその世界 での決まりごとや固有名詞などの設定を、こと細かに書き出していくらしい。 そこまで緻密に構築された世界観ならば、それはもう、一つの本物とも言える。 「タクティクスオウガ」は、10年以上経った現在でも熱狂的ファンが残っている。 2002年、松野氏は「FFXII」のプロデューサーに抜擢され、その世界観が 非常に期待されている。「XII」の製作は、これまでのFF史上で最も厳しく辛い 航海となるわけだが、久々の松野節は我々をどう楽しませてくれるのだろうか。 |
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2002年 5月12日 2005年 8月30日訂正 |