レトロゲームレビュー/ビューティフルジョー

Viewtiful Joe

 

 

機種

ニンテンドーゲームキューブ

発売元

カプコン

ジャンル

VFXアクション

発売日

03年6月26日

価格

6,800円

プロデューサー

神谷英樹

推定国内売上本数

約10万本

プレイ時間

20時間以上

今作の批評家

五十住拓哉

 

 

期待通りのとんがりアクション!

 

 

グラフィック

最近流行のトゥーンシェード、しかしちょっと大味な仕上がり。映画っぽさを

出そうとしたにしてもちょっとおかしい。どっちかというと紙芝居的雰囲気。

 

 

 

 

雰囲気

アメコミ調に加え、4頭身のキャラは人を選びそう。ストーリー周りも

アメコミをパロったものなのか何なのか、微妙といえば微妙。

だが、底抜けに能天気な展開はゲーム性を反映しており○。

 

 

 

 

システム

ステージクリア型の2D格闘アクションという使い古されたネタに、

避けシステム+VFXアクションが強烈な付加価値を与えている。

10

 

 

 

操作性

基本的には2Dアクションということで何の問題も無い。

自由自在にVFXを操るには少し慣れが必要か。

 

 

 

プラス要素

まず、クリアする度に難易度が増え、最終的には4段階にもなる。

また、隠しキャラが3人ほどおり、一応専用ストーリーも・・・・・、

用意されているといっていいのかなぁ。ただ、1回のクリア時間は短め。

途中にはシューティングステージなんかもあったりする。

 8

 

 

 

プレイ感想

主人公であるジョーは、映画の世界に紛れ込み、美しきヒーロー

「ビューティフルジョー」となって悪の軍団に立ち向かうことになる。

単純明快なヒーロー物語・・・・・かと思いきやそうともいえない。

ジョーはもともとは現実世界の映画ファンの青年であり、敵は敵で、

映画の世界から現実世界に進出すること目論んでいる。つまり、映画の世界を

客観的に見ている状態で話が進むので、少しは捻られているといえる。

 

基本的にはステージクリア型の2Dスクロールアクションということで、

懐かしい手応えを感じるが、特徴的なのは「VFXパワー」と避けシステム。

VFXとは映画などの特殊撮影技術のことだが、ジョー(プレイヤー)は自ら

VFX効果を発揮することが出来る。例えば、猛スピードで飛来する銃弾も、

スローモーションにすることで避けたりすることが出来るのだ。

 

ジョーが使えるVFXパワーは、時間の流れを緩やかにする「スロー」。

超スピードアクションが可能になる「マックスピード」。

ジョーをアップで映し出して色々な特殊効果を生み出す「ズームイン」の3種類。

この3つの力を使いこなすことで実に様々な効果を発揮することが出来る。

私も、買うまではこれほど多様な活用法があるとは思っていなかった。

「所詮スローは回避に、マックスピードは攻撃に用いるだけでしょ。

ズームなんて意味不明だし。」・・・・・なんて思っていると大間違いである。

例えばスローには、演出を過剰にする効果がある。一撃一撃のパンチが

重くなり、爆弾やミサイルの爆発は巨大化し、パンチを避けられて目を回した

敵に、スロー攻撃を加えたときは、ものすごい勢いでぶっ飛んでゆく。このような

付加的な効果がマックスピードやズームインにも与えられており、戦闘に

用いることはもちろん、謎解きにも多用することになる。そして避けシステム。

下段回避・上段回避をVFXと合わせて使いこなすことで、戦闘が有利に

進められるよう工夫されており、今作においては必須テクニックだといえる。

 

他にも、新アクション・アイテムの購入による成長要素、豊富な難易度、

隠しキャラなどの売りはあるが、なんと言ってもこのゲームの魅力は正統な

完成度の高さであろう。バランスが取れており、ボスにもザコにも多様な

対処法があって、自分の戦略・テクニックによって、より効率的な戦い方を

模索していける。腕を磨けば磨くほど、効率的に戦えば戦うほど、

あなたのジョーは画面せましと華麗に舞うことになるだろう。

 

 

 

 

私的評価点

 

85

 

 

 

コメント

ここGAME MUSEUMに、私はデビルメイクライの批評を載せて頂いているが、

「デビル」と「ビューティフルジョー」のプロデューサーは、同一人物である。

見た目はかなり異なるが、カッコいい主人公を自身で演出するというスタンスは

ほとんど変わらず、悪魔がヒーローに、武器がVFXに変わっただけの話である。

 

プロデューサー・神谷氏のゲーム製作に対するスタンスは確立しており、

高難度モードを搭載したアクションで、クリア後などのオマケを重視し、

主人公は大胆不敵な性格で服装は赤。(笑

わざわざ性格にこだわりを見せているだけあり、アクションというジャンルにも

関わらずボス敵を相手にした会話シーンの演出も欠かさない。

ここが結構ポイントで、しっかり感情移入して戦っていける。

 

神谷氏自身、「100人が100人面白いといってくれるゲームよりも、

100人の中の10人が最高といってくれるゲームが作りたい。」

とコメントしているので、あくが強いのは間違いないだろう。

しかし私はデビルもジョーも好きだし、特に今作のVFXアクションは

一見の価値ありなので、合う合わないに関係なく一度やってみてもらいたい。

 

ところで唯一神谷テイストに私が合わないところがあるとするなら、

神谷氏はどうやらアメリカ好きであるということ。英語は苦手なんだって。(泣

 

 

 

2004年2月1日