レトロゲームレビュー/キャプテン翼

キャプテン

 

 

機種

ファミリーコンピュータ

発売元

テクモ

ジャンル

コマンド式サッカー

発売日

88年4月28日

価格

5,500円

プレイ時間

30時間以上

 

 

きすぎくんふっとんだ〜! しかしボールのいきおいもよわまっている!

 

 

グラフィック

キャラやボールを中心に見せており、スライディングやシュートなどの演出は

気持ちいいほど迫力に満ちている。選手の顔がほとんど区別できないのが難。

 8

サウンド

アニメ版の主題歌「燃えてヒーロー」が多用されている。相手の攻撃では曲調

が一転して攻守がわかりやすい。スライディングやシュート時の効果音もいい。

 

 

システム

場面を静的に切り取ってコマンドで動作を決定する。リアルタイムで操作する

必要がなく、じっくりと考えられる。またガッツの配分を考える必要がある。

 8

操作性

ドリブルこそリアルタイム的だが、それ以外は全てゆっくり行動を選べる。

コマンドは、2回Aボタンを押すまで決定されず、解除の余裕があるのもいい。

 

プラス要素

まず原作の雰囲気を非常にうまく再現できている。難易度はかなり高めだが、

何度も挑戦できるので。試合時間はけっこう長めなので疲れてしまうかも。

クリアまでの試合数もたっぷりあって、ファンなら文句なく大満足の内容だ。

 

外観評価点

 

37

プレイ感想

簡単な操作でスーパープレイができる。これが本当に嬉しい。豪快なスライディ

ングでボールを奪い、岬君とのゴールデンコンビで一気に前線へ駆け上がる。

ドライブシュートで手堅く決めるのもいいが、せっせと条件を整えて立花兄弟&

次藤君のスカイラブツインシュートを撃ったときの感動といったらもう・・・(涙)。

・・・ただし、敵の猛攻にも涙することになる。相手の放つ必殺シュートは非常に

強力であり、さらに制限なく撃ってくるのでボールを持たれたらどうしようもない。

さらにさらに森崎君は全く頼りにならず失点しまくり。運がよければなんとか・・。

それでも、何度も挑戦していればレベルも上がるし勝つことはできる。総評は、

難しいけど大胆なシステムのおかげで、初心者でもいつかは勝てるという、

キャプテン翼をゲームとして楽しめる革命的作品と言っていいだろう。

 

内容評価点

 

36

総合評価点

 

73

コメント

 あえて説明すると「キャプテン翼」は週間少年ジャンプに掲載されていた

人気サッカー漫画であり、TVアニメとしても長年に渡って放映されている。

キャラゲーと言えば専らバンダイが力を入れていたがはずなのだが、この

「キャプつば」に限ってはテクモが名乗りを上げることとなった。その裏に一体

どのような経緯があったのかは私の知るところではないが、ひょっとしたら

今作に対してよほどの自信があったのかもしれない。とにかく、今作はその

特徴的なシステムが見事に原作の魅力を引き出し、ファンを大いに喜ばせた。

 

 私は当時、今シリーズ以外でテクモの作品をほとんど遊んだ憶えがないが、

それもそのはずで、テクモが投入したFCタイトルは全部で19とあまり多くない。

そもそも参入時期も86年とそれほど早くはなかった。今作は、テクモにとっては

6作品目となったわけだが、それまでアクションを中心に開発していたテクモが

よくこんな大胆なシステムを敢行してきたものだと感心させられてしまう。

 

 肝心のシステムだが、まるでシミュレーションゲームのように、場面場面で

与えられたコマンドの中から好きな行動を選ぶという形になっている。

相手の動きに合わせてリアルタイムに判断して動かすという必要がないので、

間違いなく誰にでも平等に遊べるだろう。コマンドを選べば、あとはキャラが

勝手に動いてくれるので、原作さながらのシーンが思いのままになるという、

キャラゲーにとってはこれ以上ない演出を、FCで実現してしまったのだった。

 

 

2002年8月18日

2005年10月2日訂正