レトロゲームレビュー/ゼルダの伝説 神々のトライフォース

ゼルダの伝説

神々のトライフォース

 

 

機種

スーパーファミコン

発売元

任天堂

ジャンル

アクションアドベンチャー

発売日

91年11月21日

価格

7,700円

プロデューサー

宮本茂

サウンド

近藤浩治

国内出荷本数

116万本

プレイ時間

40時間以上

 

 

出た出た出た出たついに出た!

 

 

グラフィック

SFC発売から約1年でこれだけやってくるとは。前作とは雰囲気が変わったが、

暖かい色使いと柔らかいタッチになり、親しみやすい雰囲気が伝わってくる。

10

サウンド

フィールドでのBGMは勇ましくそして力強く、プレイヤーを前に向かせてくれる。

ハイラル城ではその迫力と困難さを存分に見せ付けられ、裏の世界では得体の

知れない不安や焦りを感じさせられる。全体的にインパクトが異常に強い。

10

システム

 

前作のシステムをほぼそのまま受け継いでおり、コンパクトにまとまっている。

アイテムを出し入れする機会はそこまで多いわけではないが、やはり面倒だ。

 8

操作性

ABXYの4つのボタン全てを使うが、すぐに慣れて使い分けられるだろう。

全体的にも複雑な操作は要求されないので、誰でも安心して遊べるはずだ。

 8

プラス要素

思わず手が止まる微妙な謎解きの難易度。そしてフィールドにも数え切れない

ほどの仕掛けが用意されている。ハートのかけらやビンを増やすのも全て自由。

10

外観評価点

 

46

プレイ感想

胸騒ぎのする嵐の夜。一人忽然と家を飛び出した父。リンクはそれを知ってか

知らずか、何ものかの声を頼りにハイラル城へと向かう。そして、ハイラル城の

BGMがかかった頃には、もう完全にゼルダの世界に引きずり込まれていた。

ペガサスブーツを手に入れたら、何故か全ての木にぶつかりたくなってしまう。

新しいアイテムを見つけると、それを全ての場所で試してみたくなってしまう。

それは、全てのアクションに対して、スタッフが一つ一つ丁寧にリアクションを

用意してくれたからこその楽しみだ。また、ダンジョンでの謎解きの難易度は

決して易しくはないが、特にヒントを与えてもらえるわけではない。しかし、その

苦難を自らの肌で感じ、考え、そして乗り越えていくことで、プレイヤーは経験を

積み、一回りずつ大きくなっていけるのである。終盤に入ると道しるべ的なもの

はさらに減り、自らが行動を起こさないと新たな道は完全に閉ざされてしまう。

この魅力的な世界は、新しい発見を求めて冒険するプレイヤーを待っている。

 

内容評価点

 

46

総合評価点

 

92

コメント

 私がFCの「ゼルダの伝説」とディスクシステムの「リンクの冒険」の両方を

まともに進められなかったおかげで、今シリーズについての紹介をここで初めて

せざるを得ないという情けない状況がとても申し訳ないのだが・・・・。とにかく、

今シリーズは渋い手応えを期待する玄人ファンを魅了してきた、「マリオ」と肩を

並べる任天堂の看板タイトルの一つである。

 

 今作は、SFCが最高のスタートを切るための主戦力として、当初は「スーパー

マリオワールド」と共にSFCの同時発売を予定されていた。しかし、その開発が

本格始動するタイミングが予定より遅れていた為に、結局今作はSFC発売から

約1年後に発売されることになったのである。

 

 発売が予定より遅れたことで、売上には少なからず影響したと考えられるが、

その分、今作に対するユーザーの評価はむしろ高くなったといえる。今作は

ゼルダファンでない多くのユーザーからも非情に高い評価を得ているのである。

 

 もちろんそれは、1年遅れようが“ゼルダとは何か、そしてゲームとは何か”

ということに神経を使いながら、多くの人が共感できるおもしろさを詰め込んで

いった結果なのだろう。しかしそれが災いし、次回作「夢を見る島」が発売される

頃には、“ゼルダは一ハードで一タイトル”という言葉が聞かれるようになった。

 

 

2002年 4月15日

2005年 8月29日訂正