レトロゲームレビュー/テイルズオブファンタジア
TALES OF PHANTASIA
機種 |
スーパーファミコン |
発売元 |
ナムコ |
ジャンル |
ロールプレイング |
発売日 |
95年12月15日 |
価格 |
11,800円 |
プロデューサー |
吉積信 |
サウンド |
桜庭統、他 |
キャラクターデザイン |
藤島康介 |
国内売上本数 |
50万本 |
プレイ時間 |
40時間以上 |
ナムコの本領! 二大メジャーRPGへの挑戦。
グラフィック |
淡い色使いと、細くて繊細なタッチで描かれた、清涼感溢れるクリアな画質。 ファンタジーというよりは現実に近い。風に舞う木の葉や景色を写す水面など、 何か感覚を敏感にさせられてしまうような切なさを感じてしまった。 |
10 |
サウンド |
テーマソング(があることに)に感動。全体を通して感じたのは、壮大さ、軽快さ はあれどいまいち個性が感じられないこと。これも現実感を出す為というわけ? |
8 |
システム |
横スクロールの視点になり、アクション的な操作になる戦闘システムは画期的。 回復アイテムの効果も大納得で、これはもうこの時点で既に確立しているな。 |
10 |
操作性 |
問題はやはり戦闘時の操作。思った通りにはなかなかいかず、しばしば無駄な 動きをしてしまいがち。ただ、操作自体は簡単なので、苦労することはない。 |
7 |
プラス要素 |
全体的な完成度の高さに加え、テーマソング、新しい戦闘システム、そして キャラが喋るなど、プレイヤーを引きつける新鮮な要素がたくさんある。 エンカウント率が高めなのが少々厄介だが、他の魅力で帳消しと言っていい。 |
10 |
外観評価点 |
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45 |
プレイ感想 |
“この世に悪があるとすれば それは人の心だ”、・・・核心を突くかような台詞、 「うおっ、声があるんだぁ・・・」と驚いた直後、さらに驚きは畳み掛けてきた。 「・・・ゲームでこんなことができるなんて」、テーマソングを聞き終わった後、 しばらく呆然としてしまった。「・・・でも容量とか大丈夫なのか?」、全く何も 知らなかったのにそんな心配をしてしまほど、とにかくセンセーショナルだった。 戦闘では、横スクロールのアクションゲームのように、キャラは走って剣を振る、 そして喋る。戦かっているという臨場感は段違いだ。ストーリーなんかは、きっと 他の作品と大差はないはずなのに、何か全然違うような気にさせられてしまう。 不満な点があるとすれば、エンカウント率が高めなの事と、戦闘のバランスが いまいちで、レベルをしっかり上げておかないと酷い目に遭うということくらい。 しかし、やはりそんなことは取るに足らないような些細な事。RPGは「ドラクエ」 と「FF」だけではない。そう深く心に刻み込まれた衝撃の逸品だ。 |
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内容評価点 |
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45 |
総合評価点 |
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90 |
コメント |
「ドラゴンクエストVI」のわずか6日後という、最悪のタイミングで発売された 今作だったのだが、斬新なシステムのおかげかクウォリティーの高さの賜物か、 結局はかなりの注目を集め、限定生産の50万本(確認は取れていません)は、 数ヶ月後には完売するほどの人気振りだったようだ。 やはり今回最も注目すべきは、テーマソングとキャラボイスについてだ。 今作は48Mbitという当時のSFCでは超が付くほどの大容量を積み、その逆に 音声の容量を極限まで圧縮する(劣化させる)ことでボイスを入れている。 おそらくゲーム全体の容量の半分以上を余裕でボイスが占めていただろうが、 まぁそんなことはどうでもよくて、とにかく戦闘時の臨場感は各段に増したのだ。 後に時代は大容量化へと進み、テーマソングやキャラボイスは珍しくなくなって いくわけだが、この時点でそれに挑戦した今作に対して私は敬意を払いたい。 今作を手がけたスタッフの一部は、この後独立してトライエースを設立し、 「スターオーシャン」を製作することになる。なので、この両作が似ている、 などという台詞を言ってしまうと、ナンセンスこの上ないので注意してくれ。 |
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2002年 3月26日 2005年 7月26日訂正 |