レトロゲームレビュー/テイルズオブデスティニー2

Tales of Destiny 2

 

 

機種

プレイステーション2

発売元

ナムコ

ジャンル

運命を解き放つRPG

発売日

02年11月28日

価格

6,800円

プロデューサー

吉積信

キャラクターデザイン

いのまたむつみ

テーマソング

key to my heart』:倉木麻衣

推定国内売上本数

80万本以上

プレイ時間

100時間程度

今作の批評家

五十住拓哉

 

 

テイルズの皮を被った野心作

 

 

グラフィック

シリーズとしては初のPS2のソフトとなったが、順当な進化で、革新的に

変わってはいない。アニメ絵ゲームとしては、このあたりが完成系なのだろう。

 

 

 

 

雰囲気

戦闘中の効果音(台詞音声含む)は、アクションバトルということでイヤという

ほど重なり、戦場の慌しさが出ている。世界観的には、前作「デスティニー」の

世界観を見事に破壊している。(汗

 8

 

 

 

システム

戦闘周りのシステムがかなり複雑化、ついでに名前も複雑化。

賛否両論だが、私は好き。その他のシステムは前作を踏襲。

 9

 

 

 

操作性

システムは複雑化したものの、操作はいたって単純。全てを使いこなそうと

すると大変かもしれないけど、終盤までに出来るようになればよい。

 9

 

 

 

プラス要素

シリーズの伝統でサブイベントは今回も山盛り。いつもどおり主なご褒美は

称号な訳ですが、今作からは称号にレベルアップボーナスがついたので、

ミニゲームにも力が入る。

 9

 

 

 

プレイ感想

複雑化した戦闘システム『トラスト & タクティカル リニアモーションバトル』が、

個人的にツボでした。簡単に説明すると、今シリーズは、戦闘がリアルタイム

アクションなわけですが、スタミナ的なステータス「SP」が追加されました。

要は動きすぎるとスタミナ切れします。これにより、攻めてばかりでは勝つのが

難しくなり、的確にガード、晶術(魔法)を織り交ぜ、時には仲間に前衛を任せて

自分は後ろで休むことさえ必要に。さらに、装備合成により、細かい特殊能力を

武器・鎧・兜などに付与できるようになり、レベルアップ時の能力上昇も称号に

よって変わるので、自分のスタイルに合ったキャラ作りを楽しめるようになった。

 

「晶術ガード」「バックステップ」が加わったことと、ほぼ全ての晶術発動中も

操作可能になったことで、回避行動する楽しみが飛躍的に大きくなった。

この晶術が来たら晶術ガード、これが来たらバックステップ後全力疾走、など。

 

「デスティニー」からは、フィールドでセレクトを押すことで、キャラクター同士の

色んな会話が聞ける。今回はそれが町の中でも使えるようになり、これまでは

顔のみだったキャラ表示も、上半身が出るように改良されている。

だがそれ以上に、感情移入に貢献する新システムが、今作より実装された。

戦闘中にキャラが会話するのである、詠唱や休憩の為に、一旦後退するときは

「まかせた!」、敵の弱点を突いたときは「弱点みたいね!」、さらには、

詠唱中に敵が接近すると「今こっちに来るんじゃねえ!」、などなど喋りまくり。

ボス戦では、攻略法を戦いながら相談したり、ボスと会話しつつ戦ったり。

騒がしくてかなり臨場感があります。

 

なんだか長くなったのでまとめます。複雑化したうえストーリーは陳腐なので

人を選びますが、少なくとも私はすごく楽しめました。

 

 

私的評価点

 

90

 

 

 

コメント

一見シリーズを踏襲した作品のように見えますが、これがなかなか曲者です。

いままで「テイルズ オブ 〜」と、後半の名称を変えることで、シリーズを

発売してきたわけですが、今作だけは「デスティニー2」です。

ストーリーはいい出来とは言えず、やたら前作「デスティニー」に絡みます。

細かくはネタバレになるので伏せておきますが、“展開が三流のSF小説”

みたいな感じです。おいおい、なぜそうなるの、みたいな。そしてあの複雑な

戦闘システムに、シリーズ最高の難しさを誇る難易度「UNKNOWN」。

 

私が思うに、これはシリーズ上級者向け・・・しかもアニメ絵ゲームとして

惚れたユーザーではなく、RPGにアクション格闘を加えたこのシステムに

惚れたユーザー向けに出された作品である気がします。他の人の評判を

見ても、前者に当てはまる人と、後者に当てはまる人の評価は真っ二つに

割れているようです。片やシリーズ最低、片やシリーズ最高と評してます。

まぁ前者の惚れ方をした人にも、前作の超人気キャラ「リオン」の復活など

美味しいところはありますが・・・。

 

ちなみに私はもちろん後者、とても楽しめました。いや、過去形は良くないな、

まだ難易度「UNKNOWN」のみでのクリア(2週目)チャレンジ中ですので。

はぁ、バルバトスのばかやろ〜〜!

 

 

 

2003年 5月 4日

編集 2004年1月16日