レトロゲームレビュー/鉄腕アトム

鉄腕アトム

 

 

機種

ファミリーコンピュータ

発売元

コナミ

ジャンル

アクション

発売日

88年2月26日

価格

5,500円

 

 

10万馬力が空回り。

 

 

グラフィック

 

暗い色が多いのだろうか。とても寂しい感じがする。外のステージもあるが、

やはり何だか味気無い。特に近未来を感じるわけでもなく、これは失敗だ。

 

サウンド

 

有名なアトムのテーマが流れるが、音色が寂しく、これまた選択ミス。

博士を呼ぶときの叫び声のような音はおもしろいが、それだけでは。

 

システム

 

生命力としてウランを取り入れ、クリアするためには頭も少々必要になってくる

というのはなかなかおもしろいところ。ただ、アトムの強度が弱すぎた。

 

操作性

 

ホップ、ステップ、ジャンプによるジェット噴射(空を飛ぶ)はいいとして、

もっともっとアトムらしさが欲しかった。アトムにしては勢いが足りなくて。

 

プラス要素

アクションはそれほど難しくない。しかし、クリアするには、謎解きも必要で、

結構子供には分からないものが多かった。アトムは大人用って事か?

 

外観評価点

 

 

27

プレイ感想

心優しきアトムの豪快なアクションが楽しめるかと思いきや、ウラン(体力)が

減るわ減るわで大騒ぎ。穴に落ちればお茶の水博士のウランも減っていく。

ホップ、ステップ、ジャンプから発動する、自慢のジェットは気持ちいいが、

殴ったりジャンプして踏みつけたりするのは、らしくないし、おもしろくもない。

ステージの雰囲気は、とても近未来を思わせるものではなく、ただ寂しいだけ。

クリアしていくためには、ちょっとした仕掛けを解かなければいけないのだが、

とても自力で解く事はできず、強引に進んで運に任せるのがやっとだった。

ただ、敵を殴ったり踏んだりする度に、ヒントを出してくれてたんだけどね。

 

内容評価点

 

22

総合評価点

 

 

49

コメント

 ゲームのことはそっちのけで、簡単に「鉄腕アトム」について紹介したい。

「鉄腕アトム」が最初に放映されたのは、今をさかのぼる事約40年前のこと。

1963年1月1日18時15分。テレビ史上初の、アニメシリーズ誕生である。

ちなみにアトムの誕生日は2003年4月7日。当時、作者である手塚治虫は

遠い21世紀に思いを巡らせて、まだ見ぬ未来をアトムの世界に表現した。

現在は縦横に走る高速道路も、当時はアトムの世界だけのものだったのだ。

 

 手塚氏は1989年、胃がんのために、60歳という若さで亡くなられたが、

まさか21世紀になっても、まだこんなに醜く、情けない世界のままだとは、

夢にも思わなかったことだろう。最近では「アストロボーイ・鉄腕アトム」が

フジテレビで放映されていたが、そこにはやはり純粋で希望溢れる世界が

映し出されていた。・・・なんとも皮肉な事である。

 

 さて、ここで話しを戻したいと思うが、本作が発売されたのは見ての通り、

手塚氏が亡くなられる1年ほど前ということになる。アニメから20年以上経ち、

当時リアルタイムでアトムを見ていた子供達もすっかり親世代になっていた。

ゲーム内容も原作と似ても似つかぬとくれば、もう迷作というより仕方が無い。

 

 

2003年11月27日訂正