レトロゲームレビュー/スターオーシャン Till the End of Time
スターオーシャン Till the End of
Time
機種 |
プレイステーション2 |
開発 |
トライエース |
発売元 |
エニックス ディレクターズカット版:スクウェアエニックス |
ジャンル |
ロールプレイング |
発売日 |
03年2月27日 ディレクターズカット版:04年1月21日 |
価格 |
7,800円 ディレクターズカット版:6,800円 |
プロデューサー |
山岸功典 |
サウンド |
桜庭統 |
国内売上本数 |
約70万本 (うちディレクターズカット版約15万本) |
プレイ時間 |
120時間以上 |
無限の宇宙さえあっさりと飲みこんだ4次元という嘲笑。
グラフィック |
街やキャラクターが全てポリゴンで描かれているので、臨場感はなかなかだ。 フィールドもデフォルメはせず、ポリゴンでしっかりと造り込まれているので、 気持ちが緩むこともない。ただ、キャラのデザインは好みがわかれるところかも。 |
9 |
サウンド |
音質が高く、音色も上品で、未知なる雰囲気を含んだ宇宙的なサウンドだが、 実際にはあまり宇宙に出ることはなく、全体の雰囲気とは噛み合わない感じ。 印象の強い曲は、シリーズを通して使われいてるお馴染みの曲ばかりだった。 |
8 |
システム |
ごり押しが可能だった戦闘は、「ガッツ、プロテクト、カウンターオーラ」を得て、 より戦略性の高いものへと変貌を遂げた。今回のアイテムクリエーションは、 クリエイターを見つけるという方式に変わったが、特に秀逸とも思えない。 |
9 |
操作性 |
戦闘時は相変わらず自由に動けるし、弱or強攻撃や特技の使い分けも特に 難しくはない。通常時の移動も実にスムーズで、バニッシュハンマー等を使う 特別なアクション時もそこまで苦にはならない。派手な割には簡単という感じ。 |
8 |
プラス要素 |
戦闘での自由度とやり込み要素はさすがだ。バトルコレクションもおもしろい。 アイテムクリエーションは大きく変わったが、あまりパッとしない。ストーリーは、 後半急展開に納得できるかが問題だろう。フリーズするのはマジで勘弁(汗)。 |
7 |
外観評価点 |
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41 |
プレイ感想 |
惑星ハイダでバカンスを楽しみ、バンデーンの奇襲を受ける冒頭の辺りでは 未来の技術革新や宇宙時代における勢力図などが次々と紹介されて、 雪崩のように押し寄せる新鮮な知識に驚きながら胸を躍らせていたのだが、 この見果てぬ宇宙への期待は、未開惑星に漂着してすぐに脆くも崩れ去った。 先進惑星での条約が常につきまとっているという意味で、多少は近未来の 感覚が出てはいるが、プレイヤーが旅するのは結局これまでのRPGと何ら 変わらない普通の世界。今回も宇宙の旅はできないのかよ・・・とため息。 アイテムクリエーションの方式は大きく変化したが、結局は時間と運に任せて あとはひたすら待つだけ・・・・・、ただややこしくなっただけにも思える。 ただ、戦闘システムはさすがの一言。これまで以上に自由に動き回りながら、 弱と強攻撃も簡単に使い分けられる。プロテクトなどもすぐに覚えられるだろう。 ストーリーは後半に入って大きな転機を迎えるのだが、これは真面目なのか それとも我々をおちょくっているのか・・・・・。真面目ならそれはそれで滑稽だ。 正直これまでの(1作目からの)がんばりがバカらしく思えてしまうほどだった。 総評としては、ストーリー、戦闘、システム、それぞれ好き嫌いが別れるだろう といったところだが、やりこみ要素もたっぷりあるのでやって損はしない感じ。 ただ、やるならバグが起こるシチュエーションは絶対に避けないと地獄行きだ。 |
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内容評価点 |
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43 |
総合評価点 |
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84 |
コメント |
1作目は既に時代を過ぎた後のSFCで、そして2作目はPSでという難しい 条件の中でも確実に売上を伸ばしていた本シリーズ。その待望の3作目は、 長いPS時代を通り越してPS2で発売されることとなった。 本シリーズはまさしく海と例えたくなるような広く深いシステムによって人気を 博してきたのと共に、致命的なバグが多数あることでも有名である。私も1作目 2作目で共に、何度も突然のフリーズにさいなまれ苦汁を飲んだ経験がある。 しかし今作では、その恒例の事態が最悪の結果となって現れてしまう。 過失はデバッグを怠ったトライエースのみにあったともいい難い。発売時期に よって小規模ならぬ仕様や部品の変更を行う(というよりは、不具合が生じる ほど変更をする)ソニーの生産方式にも非はあったのではないかともいえる。 とにかく、PS2時代も中期を過ぎた頃になるまでソフトを発売することがなく、 型番に対する意識の薄かったトライエースの起こしてしまった大失態だった。 中身については短く。本作では、第一作目から続くこれまでのお話は、 全て4次元世界に住む人々が作ったゲームの中でことなのだ、とされている。 これはどうなんだろうか。おそらく多くの人が引いた・・・よね。特に1作目からの ファンにとっては、これまでの全てが4次元世界の人が見ている箱庭の中で やらされていた茶番劇だったと思うと、とてもむなしい気分になった事だろう。 ラストではその立場を挽回しようとがんばるが、時既に遅しといった感じだ。 最後に、今作の約1年後に、味方キャラクターや新たなモードが追加された ディレクターズカット版が発売されている。追加されたというよりは、通常版の 発売までには間に合わなかったというのが本音なのだろうが、それを考えると 怒りが込み上げてくるのでやめておこう。とにかく、こっちは2周りほど良質だ。 あと一つこれは私の勝手な予想なのだが、今作をやり終えて思ったのは、 スターオーシャンシリーズは一段落したのでは、ということだ。シナリオから してもなんだかこの先はやり辛い雰囲気がする。もしもこれまで通り続編が トライエースのお決まりパターンとなってきている“新作を1作挟んでメインへ” という流れが正しければ、「ラジアータ」をおいて2006年末あたりがXデーだ。 |
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2005年 8月14日 |