レトロゲームレビュー/スーパーマリオカート

スーパーマリオカート

 

 

機種

スーパーファミコン

発売元

任天堂

ジャンル

レース

発売日

92年8月27日

価格

8,900円

プロデューサー

宮本茂

ディレクター

紺野秀樹

サウンド

岡素世

国内出荷本数

350万本

プレイ時間

100時間以上

 

 

跳んで滑ってクラッシュさせる、超新感覚アクションレースゲーム誕生!

 

 

グラフィック

キャラもコースも背景も誉められたものではないが、嫌味がなくて見やすくて、

いつになっても受け入れてもらえるような感じがある。普遍的なデザインだ。

 8

サウンド

普通のレースゲームでは絶対に使えないような陽気でのんびりした曲ばかり。

それでもピッタリと思えてくるから不思議だ。ファイナルラップに入るとテンポが

早まってさすがに慌しくなる。加速やクラッシュやドリフトなどの効果音もグッド。

 8

システム

アイテムを取って相手をクラッシュさせたり無敵になったりジャンプしたり。

また、簡単にドリフトができたりショートカットできたりと、レースの勝敗が最後の

最後までわからなくなるような、未知数の仕掛けがわんさか用意されている。

10

操作性

最初は思うようにカートを操れない。しかし次第にドリフトも混ぜながらある程度

走れるようになれる。それでも決して思い通りにはいかないが、そのさじ加減が

またいい感じ。最後はみんなドンキーやクッパも操れるようになれるだろう。

 8

プラス要素

キャラクター毎に特徴があり、初心者から上級者までしっかり乗りこなせる。

コース数も多く、ショートカットポイントや障害物なども豊富でボリュームは満点。

タイムアタックでコンマ1秒を削るのもいいし、対戦もおもしろい。グランプリで

競うのもバトルで暴れるのもいい。下位にいいアイテムが出やすいのもナイス。

10

外観評価点

 

44

プレイ感想

マリオ達が乗っているというだけでやる気が倍増。これはもはやひいきかしら?

最初は全く動かせないが、ノコノコまたはキノピオを使って段々と慣れていく。

50ccは普通に優勝できるが100ccはなかなか難しい。しかしこれまた段々と

慣れていき、あとはスペシャルカップ、150ccとどんどん腕に磨きをかけていく。

練習すればするほど自分がうまくなっていくのがタイムに現れるので嬉しい。

ショートカットやダッシュボードを信じて、最後まで勝負は捨ててはいけない。

50ccでは相手を周回遅れにする余裕。150ccでは手に汗握る接戦の興奮。

またバトルでも走行テクニックやアイテムの使い方のうまさがものを言ってくる。

うまく文がまとめられないほど、今作にはいくつものおもしろさが詰まっている。

“おもしろいレースゲーム”というよりも、こいつはもはや“新しいゲーム”だな。

 

内容評価点

 

47

総合評価点

 

91

コメント

 SFCの発売から約2年。マリオファミリーが登場するレースゲームがSFCに

ビッグサプライズをもたらした。「F−ZERO」を本格派のレースゲームとすれば、

こちらは何でもありのアクションレースと言っていい(任天堂もアクションレースと

称している)。とにかくこの思い切ったアプローチは見事にユーザーに大受けし、

今作はSFCソフト最多の350万本という“出荷”本数を記録することとなった。

 

 やはり今作のおもしろさの重要なポイントは、アイテムがあるということだろう。

これまでのレースゲームにそういう要素が全くなかったわけでもないが、大抵は

おまけ程度の存在でしか扱われず、その種類や使える回数も少なかった。

しかし今作ではアイテムはプレイヤーの走行テクニックと同じくらい重要であり、

その種類や使う回数もレースゲームとは思えないくらい多い。このアイテムの

登場により、初心者でもなんとか1位を狙える、というゲームバランスが完成し、

これが多くの人に受け入れられるきっかけとなったといっていい。しかし、ならば

純粋なレースゲームとしてはダメなのか?と言われるとそんなことは全くない。

今作のタイムアタックモードは全世界で競われ、日本でもTV番組を含めて

大いに盛り上がったのはみなさんもご存知のことだろう。練習しただけタイムが

縮まり、さらに縮められると思えるのは、今作が純粋なレースゲームとしても

非情に高く完成している証拠であり、もしそうでなければいくら「マリオ」達が

登場するとはいえ、さすがにこれほどの話題作になるはずはなかったのである。

 

 N64で発売された次回作も、世界中に大旋風を巻き起こす大ヒット作となる

わけだが、その道のりは決して楽なものでもなかった・・・。どうぞお楽しみに。

 

 

2002年 4月15日

2005年 8月24日訂正