レトロゲームレビュー/スーパーマリオブラザーズ

スーパーマリオブラザーズ

 

 

機種

ファミリーコンピュータ

発売元

任天堂

ジャンル

アクション

発売日

85年9月13日

価格

4,900円

プロデューサー

宮本茂

サウンドクリエイター

近藤浩治

国内売上本数

620万本以上

全世界売上本数

4000万本以上

プレイ時間

100時間以上

 

 

走る事や飛ぶ事や踏む事が、何故こんなにおもしろかったのか。

 

 

グラフィック

特に凝った部分があるわけでもなく、決して美しいといえるわけではないが、

とてもすっきりとクリアで、見やすさと分かりやすさで言えばこの上ない。

サウンド

スーパーマリオ史上最高の名曲!そのテクノで愉快なBGMはもちろん、

ミスからゲームオーバーへの流れも定かな記憶として残っている。

10

システム

ブロックを叩いてアイテムを出す,敵を踏むことでアクションの幅が広がる,

土管の中の世界,ステージを走りきるとゴールできる,隠しブロックetc・・・。

現在でこそ当たり前だが、当時としてはものすごい発見だったと言える。

10

操作性

マリオの動きに合わせて、自分の手まで動いてしまうプレイヤーが続出。

もうこれ以上の操作性は無いという証拠ではないだろうか。

10

プラス要素

プレイするたびに華麗なプレイを心がけてしまう懐の広さと、隠し要素の多さ。

さらにはステージの多さに、全くと言っていいほど飽きを感じないだろう。

10

外観評価点

 

46

プレイ感想

マリオを走らせジャンプさせる事がおもしろい。敢えて付け加えていくならば、

チビマリオになったときに感じる微妙な緊張感と、キノコを取った時の安堵感。

そしてスターを取って敵を一掃し走り抜ける爽快感に、タイムオーバーを前に

したときの焦りの感情。バックでテンポを変えながら、それらの感情を常に

支えているBGMも含め、感情のバランスが見事にコントロールされている。

難易度は非常に高いのに、止められなくなるのは正にこれらのせいだろう。

趣向が凝らされたステージを何度も繰り返し遊んでいるうちに、マリオと

だんだん一体となっていき、いつの間にか完璧なプレイを目指し始める。

タイミングもろくに考えずに、無謀なダッシュジャンプを繰り返しながら自由に

突き進んでいくことが、たまらない快感に思えてくる。幼少の頃に感じたあの

一体感は自分の一生の思い出となるだろう。

 

内容評価点

 

50

総合評価点

 

96

コメント

 「(日本で)100万までは実力で売れたと思うんやけど(笑)、

そこから先は運が良かったとしか言いようが無いですよね。」(宮本氏)

 

 全世界4000万本以上という空前絶後のセールスを記録した本作は、

ファミリーコンピュータという家庭用ゲーム機の存在はもちろん、ビデオゲーム

という存在を全世界に知らしめた第一人者として、歴史に名を残すことだろう。

当時の私は実際にその勢いを肌で感じとれる年齢ではなかった(2歳)ので

何とも形容しがたいのだが、本作の売れ方を見てみると、口コミでの情報の

広がり方には恐ろしいものがあったとしか考えられない。

 

 今作は「ジャンプの気持ちよさをゲームにしたかった」という宮本氏の言葉通り、「マリオとの一体感」がキーコンセプトとなっている。実際、ジャンプに併せて

自分の手までジャンプしてしまう人が続出したのだから、このコンセプトは正に

大成功だったのだろう。この「一体感」というおもしろさは、ハード性能や時代に

左右されない、不変なおもしろさの一つだと言えるのではないだろうか。

 

 ところで、本作の発売後、宮本氏がポール・マッカートニー氏からサインを

ねだられたという話は皆さんもご存知だろう。それだけ、マリオがもたらした

衝撃が大きかった、ということが窺い知れるエピソードなのだが、それは何も

ユーザーに限ったことでは無く、ゲームメーカーにも同じ事が言えたのである。

「マリオを超える」を目標に、他社から次々にアクションゲームが発売され、

やがて、アクションゲームブームの到来がやってくるのだった。

 

 

1999年8月

2002年 4月 8日訂正

2003年 5月23日訂正

2003年 9月23日訂正