レトロゲームレビュー/スターフォックス64
スターフォックス64
機種 |
ニンテンドウ64 |
発売元 |
任天堂 |
ジャンル |
シューティング |
発売日 |
97年4月27日 |
価格 |
当初:6,800円 現在:4,800円 |
プロデューサー |
宮本茂 |
サウンド |
近藤浩治、若井淑 |
国内売上本数 |
30万本以上 |
プレイ時間 |
50時間以上 |
何回やっても挑戦者
グラフィック |
フルポリゴンで描かれた世界は前作から大幅にグレードアップし、迫力満点で 臨場感がものすごい。またステージのバリエーションも豊かで見ていて楽しい。 |
9 |
サウンド |
戦いの幕開けを告げるコーネリア,ライバルの急襲,スターウルフのテーマ, 敵の拠点と化した海上基地ゾネス,敵の最終包囲網を突破するエリア6など、 前作とは全くの別物だが、どの曲もステージの雰囲気を力強く表現しており、 独特の興奮と最後まで途切れない集中力をプレイヤーに与えてくれる。 |
10 |
システム |
ステージに隠された条件や仕掛けによってルートが分岐する。またブーストや ブレーキ、チャージ弾などの細かい設定も、ゲームの幅を大きく広げている。 拠点の攻略やボス戦などでは全方向へ移動できるオールレンジモードとなる。 |
9 |
操作性 |
機体の移動は入力してから一瞬遅れるような感覚があるが、機体の特性や 重量感を感られるような絶妙な加減になっているので逆にしっくりくるくらいだ。 ブーストや通信などの操作はCボタンにまとめられており、厄介なことはない。 |
8 |
プラス要素 |
ステージは多いし何度やっても飽きないほど奥も深い。ワープや敵機の追加 などの仕掛けもたくさんあるのでどんどんのめり込める。敵も含めキャラは全て 超個性的で、台詞も渋くて深くて切れまくり。対戦はある程度は楽しめるだろう。 |
9 |
外観評価点 |
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45 |
プレイ感想 |
フォックスチームのメンバーは絶えず話し掛けてくるし何度も視界に入ってくる。 ボス戦ではそれぞれがサポートしてくれるし、一人でも欠けるととても寂しい。 一瞬しか姿を見せないような敵キャラさえ愛しく思えてしまうほどキャラはいい。 また演出にも力が入っており、思わず力が入ってしまう場面もたくさんあった。 敵の攻撃はそこまで厳しくないので、初心者でもクリア目指すのは可能だが、 今作の本当のおもしろさは2,3回クリアしてからようやくじわじわと感じてくる。 チャージ弾をうまく当てて撃墜数を増やし、更に難しいステージを目指していく。 ステージ毎に課せられた難しい条件を完璧にクリアして、最良の結果を出す。 次はきっとできる、と思えるような絶妙な難易度がそこへ導いてくれたのだ。 これだけひたむきに挑戦できたゲームは、今作以外になかったかもしれない。 作戦を完遂し無事仲間と通信を終える自分が、なんだかとても誇らしく思えた。 |
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内容評価点 |
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48 |
総合評価点 |
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93 |
コメント |
家庭用ゲーム機では初のフルポリゴン作品となった「スターフォックス」だが、 その2作目となった今作は、ポリゴン処理能力に優れるN64によって大幅に グレードアップしている。今作に纏わる話は多いが順に紹介していきたい。 まずは今作が映画などをモチーフにしたオマージュ作品だといわれていること についてだ。確かに今作をプレイしていると、そうとしか思えないような事象が 随所で見られる。例えば主人公達が乗る戦闘機「アーウィン」の名前の由来は その形がアルファベットのAに似ていること(つまりA−WING)からきているが、 これは映画「スターウォーズ」の戦闘機「X−Wing」の明らかなパロディである。 また映画「インデペンデンスデイ」を思わせる巨大円盤が出てきたり、TVアニメ 「機動戦士ガンダム」のモビルスーツそっくりな人型ロボットが出てきて、さらに カタパルトに乗って発進したりと、もはややりたい放題だった。ただ、このことに 対して何か問題があったかというと、特にそういうことはなかったはずである。 宮本氏はゲーム界のスピルバーグと呼ばれている通り、今回のオマージュは まさに敬意を払ったものと考えていいし、「機動戦士ガンダム」の監督である 冨野氏ともお互いを尊敬しあう間柄である。今作で「B級SF」を目指した宮本氏 にとっては、この形がN64で実現できる精一杯の完成形だったのだ。 2つ目は振動パックについてだ。今作には、コントローラーを通してゲーム中で 受けた衝撃を振動として手に伝える付属製品「振動パック」が同梱された。 当初は“それがどうした”という冷やかな反応が多かったが、実際使ってみると その効果は絶大で、瞬く間に他社もその機能を取り入れ、現在では当たり前の 仕様となったわけだ。 最後に、これは任天堂の意外な一面を垣間見ることができるエピソードだ。 今作のキャラクター達は、どれもみな個性的でその台詞も非常に好評である。 もちろんそれはキャラ&シナリオメイキングや声優陣の熱演があってこそだった のだが、この声優陣、全キャラクターが優に20を超えているというのに、たった の6人(公表では)でそれをこなしてしまっているのだ。つまり声優1人につき 2〜4人のキャラを掛け持っているという計算になる。実際、主人公フォックス を演じた里内氏はレオンとカイマンも演じ、ファルコを演じた江川氏はウルフを 演じている。なぜ任天堂ともあろう会社がこんなケチっぽい事をしたのだろうか。 私は、この話を知ったときとても驚いた。しかし、“これは単なる経費節約だ”と 任天堂はあっさり説明している。任天堂はゲームを作る会社であり、それ以外 にはできるだけお金をかけたがらないのだ、とわかるエピソードだった。 今作に関するお話は、「インタラクティブムービー」や「CM」についてなど、 まだ他にもあるのだが、長くなってしまったのでまた次の機会に紹介したい。 |
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2002年 4月 4日 2005年 9月 6日訂正 |