レトロゲームレビュー/スターフォックス

スターフォックス

 

 

機種

スーパーファミコン

発売元

任天堂

ジャンル

シューティング

発売日

93年2月21日

価格

9,800円

プロデューサー

宮本茂

サウンド

近藤浩治

プレイ時間

10時間以上

 

 

僕らにとっては、ただのカクカク。

 

 

グラフィック

初めて見たとき、なんだこれは?と思った。新しい技術だけあって、

確かに新鮮だが、ぎこちなさがそれを上回っていたのも確かである。

 

サウンド

現実とはかけ離れた、未知の宇宙を感じさせる、透明感溢れるサウンドは、

緊迫感と緊張感が入り混じった戦いへ、プレイヤーを引き込んでいく。

 

システム

あまり登場しないが、味方の存在は大きい。難易度によって、ステージが

変わるのもおもしろい。それ以外には、特に目立つシステムは感じなかった。

 

操作性

ポリゴン処理のためか、絶えず処理落ちしているようなレスポンスだ。

重量感のある戦闘機の操作性といえば理解も出来るが、気持ち良さは無い。

 

プラス要素

見た目の新鮮さと仲間の存在。3つの難易度によるステージバリエーションと、

そのやり応えは確か。しかし、当たり判定の悪さ等、マイナス面もあちこちに。

 

外観評価点

 

34

プレイ感想

見た目のインパクトは否定できない。そのヴィジュアルに見せられて、

一度はプレイしてみるが、わざと戦闘機らしい重さを出しているのか、

処理落ちのせいなのか、操作感覚はかなり悪い。当たり判定も曖昧で、

結局、難易度はかなり高くなり、始めのうちは、最初のステージさえ困難。

そのちょっとした壁を乗り越えられれば、十分な達成感を感じられるのだが、

そこに辿りつく前に、あきらめてしまう人がどれほどいるかを考えてしまうと。

仲間の存在は大きいが、出番が少ないせいか、共に戦っているという感じは

それほど感じなかったのも残念。ただ、ポリゴンという新しい土台の中で、

配置されたオブジェクト、ステージ構成、敵キャラ、そして様々なシステム等、

なんとかやりくりした、という苦労はひしひしと伝わってくる。

しかし、その苦労の分だけ、難しくてもプレイヤーを自然と上級者へ導く

任天堂の魔力を、今作に注入する余裕が無かったのだろう。

 

内容評価点

 

37

総合評価点

 

 

71

コメント

 FXチップを搭載し、家庭用ゲーム機では初のポリゴン処理を施した

3Dシューティングである。本作の発売までにポリゴンを使った作品がなかった

わけではないが、本作はたくさんの人々がポリゴンを知るきっかけとなった。

 

 とはいっても、当時のハード性能では立体の連なり程度のものしかできず、

初見こそ新鮮さを感じるが、所詮はカクカクとしたおもちゃの飛行機にしか

見えなかった。それでも開発者にとってみれば、ポリゴンは次世代の

ゲーム業界の中心となるであろう技術であり、スタッフの興奮が窺える。

 

 内容のほうは、そのポリゴンという使い慣れない技術のせいなのか、

全ての人にお勧めできるものではない。しかし、次世代のスタンダードと

なりうるものをいち早くユーザーに提示しようとする任天堂の姿勢が

まざまざと現れた瞬間だったのかもしれない。そしてその姿勢は、

良くも悪くも、現在、そしてこれからも続いていくことになる。

 

 

2002年 3月17日

2003年 9月 5日訂正