レトロゲームレビュー/パンツァードラグーン ツヴァイ

PANZER DRAGOON ZWEI

 

 

機種

セガサターン

開発

スマイルビット

発売元

セガ

ジャンル

3Dシューティング

発売日

96年3月22日

価格

5,800円

推定国内売上本数

35万本以上

プレイ時間

10時間以上

 

 

天翔ける竜にまたがる

 

 

グラフィック

圧倒的なクウォリティーで見せる神秘的な世界観は、体験した全ての者を

魅了したに違いない。前後左右を見渡せた視界は、さらに上下にも広がり、

あるもう一つの世界の中を飛んでいる、という実感が倍増した。

10

サウンド

記憶に残り辛いのは確かだが、その世界の民族の歴史を解き放ったかの

ようなエキゾチックで幻想的なBGM。そして、ロックオンレーザーを始めとした

小気味良い効果音が、プレイヤーを徐々にトランス状態へと導く。

 9

システム

前作では前後左右だった視点が、今作では上下にも広がり、バーサクモード、

ルート分岐、ドラゴンの成長など、様々な新要素が加わっている。今シリーズ

独自のシステムは、進化と融合を重ね、着実に完成形へと近づいている。

 9

操作性

いかにもドラゴンに乗っていることを思わせる大胆で大味な操作感覚。

照準とドラゴンの操作が連なっていることで、照準を合わせるのは簡単だが、

攻撃を避けるのは困難。敵の攻撃を避けながら、狙うだなんてとんでもない。

 

プラス要素

全体のクウォリティーの高さと、圧倒的世界観は評価。ルート分岐やドラゴンの

パワーアップなど、やり込める要素もしっかりある。しかし、もう少しステージ数

が欲しかったのも事実。隠し要素のパンドラボックスは遠い人には遠いしね。

 

外観評価点

 

42

プレイ感想

そこには、自分の知らない世界が、当たり前のように存在していた。

現実とは明らかに違うのに、その存在感の強さが織り成す雰囲気は別格で、

その中を優雅に飛ぶ浮遊感は、一度体験したらもう頭から離れなくなる程だ。

敵を可能な限りロックオンしていく時の気持ち良さ、そして一気に葬る快感も、

人々を惹きつけて放さない魅力の一つ。融通の聞かない操作性のためか、

難易度は高いのか低いのか、正直良くわからないが、そんなところも含めて、

今作は個性が強すぎる。名作とは何か、の応えは、まさにこれの事であろう。

少しボリュームが少なく感じるが、ステージの途中に分岐点があるという事で、

すぐに飽きるようなことは無いし、何よりプレイヤーが上達する余地が十分に

作られているので、止めようも無い。結論としては、全ての要素が魅力的な

力を持っている超カリスマ作品なので、全ての人が一目見てみるべきである。

 

内容評価点

 

41

総合評価点

 

83

コメント

 3Dシューティングゲームの傑作と謳われ、熱狂的なファンを引き連れるように

なった今シリーズだが、その第一弾が登場したのは、まだセガサターンの

発売から半年と経っていない、95年3月10日のことだった。

 

 フルポリゴンによって美しく描き出されたファンタジーでドラマティックな世界。

前後左右(360°)に見渡す事のできるワイドな視点。何体もの敵を同時に

ロックオンしていき、一気に葬ることのできるホーミングレーザー。

新しさとカリスマ性の両方を兼ね備えた今作を当時リアルタイムで体験した

プレイヤーは、きっと鮮烈的な衝撃と感動を覚えたに違いない。

 

 それから約1年後に発売された今作も、ルート分岐やドラゴンの成長などの

新要素を加え、今シリーズの良い所を殺すことなく進化し幅のある作品へと

成長する事が出来ている。高難易度の前作と比べ、少し易しくなったことも

ファンを増やすという意味では好材料だったかもしれない。

 

 しかし、98年11月29日に発売された「アゼル・パンツァードラグーンRPG」

以降、今シリーズの続編はばったりと途絶え、遂にはドリームキャストでの

発売を心待ちにしていたユーザーをも完全に裏切る形となってしまった。

どうやら、その原因はスタッフが分散してしまったことにあるようなのだが、

本当のところは私ごときに分かるところではない。

 

 何はともあれ、約5年の歳月を経て再びお目見えする事となった最新作

「パンツァードラグーン オルタ」だが、国内では非常に不利な状況である

Xboxでの発売だった事もあり、思った通りの大苦戦を見せた。もちろん、

発売元のセガを始め、開発したスマイルビットとしてもそれを承知での発売

だったのだろうから、私なんかに口出しできる筋合いなどないのだが・・・。

ただ、一つだけ私が言えるとするならば、今作はもっともっと多くの人々が

体験みるべき、ドラマティックな世界であるという事だ。

 

 

2002年12月19日

2003年 6月19日訂正