レトロゲームレビュー/マリオテニス64

マリオテニス64

 

 

機種

ニンテンドウ64

発売元

任天堂

ジャンル

テニス

発売日

00年7月21日

価格

6,800円

メインクリエイター

高橋宏之,高橋秀五

国内売上本数

70万本以上

プレイ時間

20時間以上

 

 

テニスのおもしろさって、やっぱりラリーが続く事だと思うんです。by高橋兄弟)

 

 

グラフィック

マリオゴルフと全く同じレベル。その動きはまだしも、アップになるとむごい。

色あせ難い感じはあるが、一昔前を当たり前のように出してくるのはちょっと。

 

サウンド

任天堂らしく、軽快でスポーツにピッタリのBGMだった。ショット時の効果音も

非常に気持ち良く、いつもながら感情を揺さぶられてしまった。

 

システム

テニスゲームの最低限の設定はできる。タイミングを会わせる必要は無く、

誰でも簡単に、ロブ、ドロップが撃ち分けられ、スピンも自由自在。楽ちん。

 9

操作性

タイミングがほとんど関係無いので、動いてラケットを振れば、撃ち返せる。

余裕がある分、強力なショットを撃つ事も難しくない。楽ちん。

 8

プラス要素

簡単にラリーがつづけられるので、4人対戦でのおもしろさは完全保証。

1人用モードも様々で、難易度も自由に変えられるので、1人でもOK。

 8

外観評価点

 

38

プレイ感想

これまで遊んできたテニスゲームとは違い、タイミングを必要としないので、

すぐに相手の球を打ち返す事ができた。ラリーが続く事自体がおもしろく、

テニスのおもしろさの一つを最大限に引き出している感じがした。4人対戦で

ラリーが続くのはもはや言うまでもなくおもしろく、絶対に盛り上がれるだろう。

ロブやドロップなどの撃ち分けもできるが、それで勝てるというわけではなく、

相手の逆を突く事のがあくまで基本だ。また、そうやって逆を突く余裕もしっかり

とられているので、誰でも楽しめるというわけだ。いくつかのモードが用意されて

いるので、楽しみ方も様々。ラリーが続き過ぎてプレイ時間が長くなってしまい、

疲れてしまう、というのは贅沢な悩みなのかもしれない。

 

内容評価点

 

41

総合評価点

 

79

コメント

 FC版「テニス」は「ゴルフ」の発売よりも早く、84年1月14日に発売された。

つまり、今作の発売までに、実に16年以上も歳月が流れていた事になる。

任天堂が再びテニスゲームを発売することになったのも、高橋兄弟の作り出す

スポーツの世界が、大きな可能性をもっていたからに他ならない。

 

 今作は、これまでのタイミングが命だった操作性を完全に捨て去り、

誰でもラリーが続くような設計となっている。ラリーが続く事が、テニスの中で

一番おもしろいところなのだ、というこだわりを前提に制作されているからだ。

もちろん、サービスで半分近く決まってしまう現実のテニスを再現することが

間違いだというわけではない。しかし、実際の世界をゲーム内に再現し、

それを動かす事が、本当にゲームだと言えるのだろうか。

 

 もしそれが正解ならば、今までおもしろいものを作るために苦しんできた

クリエイターの苦労は報われない。彼らは、ゲームでしかできない事を

見つけ出し、それがおもしろければ、なんとか形にしようと努力してきた。

それが現実や、本物である必要は無い。むしろ、ゲームでしか表現できない

世界こそ、ゲームだと思える。ハードの性能ばかりが注目される昨今。

是非とも、その性能を真の意味で活かして欲しいと思う。

 

 最後に、今作を作った高橋兄弟の兄、高橋宏之氏について軽く説明したい。

氏は、FCソフトでは「ドラゴンクエストV,W」、メガドライブでは

「シャイニングフォース」の制作に携わった人物である。

名作と呼ばれるRPGに携わってきた氏は、弟である秀五氏と共に、

GBAソフト「黄金の太陽」を作り上げた。彼らには、これからもゲームの

おもしろさにこだわりを持って、がんばっていってもらいたい。

 

 

2002年 4月18日

2003年10月 2日訂正