レトロゲームレビュー/メタルギアソリッド
METAL GEAR
SOLID
機種 |
プレイステーション |
発売元 |
コナミ |
ジャンル |
アクション |
発売日 |
98年9月3日 インテグラル版:99年6月24日 KONAMI THE BEST版:00年4月27日 PS one Books版:02年1月24日 |
価格 |
5,800円 インテグラル版:4,980円 KONAMI THE BEST版:2,800円 PS one Books版:1,800円 |
監督 |
小島秀夫 |
国内売上本数 |
60万本以上 インテグラル版:10万本以上 他不明 |
プレイ時間 |
40時間以上 |
ゲームでありたい、でも映画でもありたい。
グラフィック |
オブジェクト毎に質感が良く出ており作り物とは思えないレベルまできている。 デモシーンではキャラがアップになるとのっぺらぼうが目立ってしまうのが残念。 |
9 |
サウンド |
足音や物音へのこだわりはすごく、それがゲーム性になっているのも頷ける。 普段は環境音だけだが、見つかった時に本当に焦るのは何よりBGMのせい。 |
8 |
システム |
ホフク、張り付き、ビハインドカメラ、覗き、ノック、そして敵の思考回路など・・・、 全ては最高にスリリングな潜入を楽しむために開発された秀逸なシステムだ。 |
10 |
操作性 |
打撃に銃撃に首締めに投げ。アクションの種類は多いが、アイテムの入れ替え も含めて無理なくまとまっている。アナログスティックならより細かく動かせる。 |
9 |
プラス要素 |
見つからなで進むという緊張感は本当にすごい。攻略ルートや攻略の手段は 幾通りも用意されている。ストーリーやキャラメイクもそれこそ映画並に深く作り 込まれていて重量感がある。フルボイスは圧巻で、声優のハマりっぷりも見事。 残念なのはボリュームが少なめなのと、デモが長過ぎると気が抜けることかな。 |
9 |
外観評価点 |
|
45 |
プレイ感想 |
開始直後から映画的な演出の連続で、思わず息を呑んでしまった。タイトルが 出るタイミングも映画的で、“こういうのをやっちゃうのかぁ”と口をぽっかり・・・。 いざ潜入が始まれば、まずは身を隠してから、兵士がどのルートで巡回している かをじっくり観察する。次に、ここはどう切り抜けるのか頭の中でシミュレート。 わざとノックして音を出したり、足跡を残して兵士をおびき寄せるのも手の内だ。 それを実行する緊張感と、突破できた後の達成感は何ものにも代えられない。 キャラクターは全て個性の塊なので印象的だし、その巧みな演出やシナリオも 手伝ってグイグイと引き込まれていく。また所々に遊び心が見られ、一瞬立ち 止まっていろいろといじってみたり、ツッコミを入れたりして楽しんでしまった。 手応えあり自由もありでしっかり遊べるが、後半に近づくにつれてデモシーンの 割合が急激に増えて、何も動かせない時間が増えてしまったのが残念だった。 おまけとして入っているVR訓練は、訓練とは思えないほどやり応えがある。 |
|
内容評価点 |
|
47 |
総合評価点 |
|
92 |
コメント |
私は今作で初めてメタルギアシリーズを知ったのだが、そういう人は私以外 にもけっこう多いのではないかと思っている。実は今シリーズの第一作目である 「メタルギア」は、87年7月12日にMSX2にて発売された。ちなみにMSXとは MicroSoft eXtentionの略で、83年にマイクロソフトとアスキーの共同開発の 元に生まれた最初の統一規格パソコンのことである。「メタルギア」はその後 すぐにFCでリメイクされたが、当時のコナミはMSXへのソフト供給にも非常に 力を入れており、シリーズ2作目となった「メタルギア2 ソリッド・スネーク」は MSX2のみの発売にとどまった。とにかく、「敵に見つからずに進む」という、 大方の流れに逆らったコンセプトは当時既に確立されていたのだ。 やはり今作を語る上では、監督の小島秀夫氏の存在は無視できない。 彼自身、「スーパーマリオ」を始めとした多くの作品に影響され、業界に入った わけなのだが、ゲーム以上に映画からも大きく影響を受けてきたのだという。 その言葉通り、今作には映画的手法が随所に見られ、ゲームでありながらも ストーリーテリングを忘れない、メッセージ性の強い作品になっているのである。 さて今作を映画的という一方で、「FF」もまた映画を目指した作品であった。 前者がカメラアングルとカット割という演出を使い、ポリゴンアクションのみで それを表現したのに対し、「FF」は要所要所に高画質のムービーを流すことで 表現しようとした。どちらが映画的に優れているかということはこの際別にして、 映画的演出を取り入れた新たな作品の登場により、PS市場はさらなる活気に 満ち溢れていくこととなった。 |
|
2004年 3月 1日 |