レトロゲームレビュー/ルパン三世 パンドラの遺産

ルパン三世 パンドラの遺産

 

 

機種

ファミリーコンピュータ

発売元

ナムコ

ジャンル

アクション

発売日

87年11月6日

価格

3,900円

プレイ時間

20時間以上

 

 

ストーリーに関係無く追っかけてくる銭型のとっつぁんに拍手。

 

 

グラフィック

絵のタッチは劇場版「カリオストロの城」を基にしているようだ。なかなか綺麗に

描き込まれており、街、城内、砂漠、水中、ピラミッドなど、場面も色取り取り。

 

サウンド

「ルパン三世のテーマ」の遠いアレンジだが、少しだるい気分になってしまう。

銃声や鉄のぶつかる音なんかは、目が覚めるような音を出しているってのに。

 

システム

 

ルパンのみに限って、爆弾、ジェット噴射機、赤外線スコープ、アクアラング、

風船、防弾チョッキなど、有利なアイテムを使用できる。次元や五右ェ門は?

 

操作性

動きは機敏で、ジャンプもサクサク跳んで気分は良い。ただ、場面によって

いろいろな操作が必要となり、フィアット(車)を操るのは異常に難しい。

 

プラス要素

意地の悪いトラップに引っ掛けられ、右往左往させられ、とても時間がかかり、

そう簡単には先に進めない。ルパンの特殊アイテムも、すぐに品切れだ。

 

外観評価点

 

31

プレイ感想

原作以上にトラップが満載で、初めて行くところは、まずやられてしまうだろう。

それでも慣れてくれば、ある程度は確実に進めるようになるまで上達する。

各ステージのボスには、キャラの相性があり、うまく対応させて倒すのが吉。

しかし、そんな余裕も束の間。最終ステージであるピラミッド手前の砂漠にて、

事態は急変する。フィアットが早すぎて、岩にぶち当たっては即、御陀仏に。

何とかピラミッドに辿り着けても、入り組み過ぎで、行ったり来たりしていれば

とっつぁんがやってきてしまう。やりまくったのにクリアできない。苦い記憶だ。

 

内容評価点

 

25

総合評価点

 

56

コメント

 例の如く、「ルパン3世」について、簡単にご紹介することにしましょうか。

ちなみに、簡単に説明しないとするならば、古くはまだ日本が幕末だった頃。

1864年にフランスで生まれたモーリス・ルブラン氏が、1905年に発表した

短編小説「アルセーヌ・ルパンの逮捕」が起源なのだが、やっぱり説明しよう。

 

 作家としてデビューしてからすぐに、一部の人々から評価を得ていた氏は、

友人であり、編集者だったピエール・ラフィット氏から、一般大衆向けの作品を

依頼される事となり、しぶしぶながらもそれを承知。ルパンは大好評だった。

「ルパン逮捕される」とも訳されているが、その題名が示すとおり、続編を書く

つもりの無かった氏だったが、こんな魅力的なキャラクターをそのままに

しておいては勿体ない、というラフィット氏の強要に屈し、続編の制作を決定。

後に世界の各国に向けて翻訳され、アーサー・コナン・ドイル氏の超名作、

「シャーロック・ホームズ」シリーズに次ぐ、大人気作品となったのである。

 

 ルブラン氏は1941年、76歳でその生涯を終えたが、それから30年経った

71年、日本では、モンキーパンチ氏によるTVアニメ「ルパン三世」が放映され、

小説だけでなく、アニメ作品としても人気を獲得する事となる。79年には

宮崎駿氏が監督を務めた、劇場版「カリオストロの城」が公開され、

良くも悪くも、大きな話題を作った作品として、人々の記憶に残った事だろう。

今作「パンドラの遺産」にも、舞台となった城やクラリスが登場している。

 

 はしょった割にまとまってなくて恐縮だが、現在でもTVにて新作が放映され、

ゲーム作品としても、新作が作られるだろうことが予想される「ルパン三世」。

約一世紀もの間、こうして人気を保ち続けてきたことに改めて驚かされるが、

誕生のきっかけが、半ば強引な依頼だったというのだから不思議なものである。

 

 

2003年12月17日訂正